最近の時代劇には、男性アイドルが多数出演しているが、中でも彼らの演技が見事にハマると評判なのが忍者役だ。最近の男性アイドルたちの活躍ぶりを振り返りながら、コラムニストで時代劇研究家のペリー荻野さんが解説する。
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まもなく2月22日。にゃんにゃんにゃんで猫の日として知られるが、「ニンニン忍者の日」でもある。NHK大河ドラマ『麒麟がくる』では、岡村隆史の忍びにも注目が集まった。そこで話題になっているのが、この日、時代劇専門チャンネルで放送されるジャニーズWEST、関西ジャニーズJr.出演の青春忍者映画『忍ジャニ参上!未来への戦い』である。
物語の舞台は徳川家康が幕府を開き、50年ほど泰平の世が続いたころ。西の若き忍びカザハ(重岡大毅)フウト(小滝望)ホウジ(平野紫耀)ソラ(神山智洋)キスケ(向井康二)ら五人は厳しい修行を積んできたが、泰平の世に忍びはいらないと、解散を言い渡されてしまう。仕方なく辻斬り、火付けなど悪をやっつける義賊として名を売って郡山新田藩に雇ってもらおうと活動を始めた彼らは、東の忍び二人組のハヤテ(森本慎太郎)カゲマル(京本大我)とあるものの争奪戦を繰り広げることに…。
映画公開は2014年。義賊活動に積極的なカザハと慎重派のフウトとの対立など、チームの友情や世の厳しさに立ち向かう若者の姿が描かれるが、やっぱり見せ場は忍者アクション。時代劇の本場・京都太秦で走る!跳ぶ!木に登る!手裏剣飛ばす!ひっくり返る! 現在、King & Prince、SnowMan、SixTONESとして活躍するメンバーの貴重なシーンとともに京本大我の父・京本政樹や若林豪などベテラン陣との共演場面もある。お宝作品と言われるのもよくわかる。
そもそもアイドルと忍者は相性がいい。時代劇のスタッフに聞くと、身体能力はもとより、相手のいるアクションでは、音感・リズム感も重要なのだ。特に殺陣の場面の詳しい内容は台本には書かれておらず、現場で細かい動きが決定することがほとんど。その点、歌と踊りを得意とする彼らは、覚えもよく動きがいいという。
確かに時代劇のセリフや座敷での立ち居振る舞いよりも、屋外でのアクションのほうが、彼らは断然光る。黒い忍者装束で武器を構えて勢揃いし、アイドルらしいカッコよさを前面に出してキメて見せる力もある。