1987年にも売上税に関して、パネルを使って説明しました。自身の政策を国民に訴えかけたい、国民のため、国家のために必要だと信じる政策を理解してもらいたいと思い、努力していたのです。
菅首相は「専門家の先生方のご意見を伺いながら」などと何度も口にしていますが、そんなのは当たり前のこと。あえて専門家の名を出すことで、自分だけの判断ではない、責任を免れたいという内心を暗に示しているようにも見えます。これでは一国のリーダーたる首相としての自覚が欠けていると言わざるを得ません。
中曽根首相なら、感染拡大を防ぐために「ともかく自粛してほしい」と、一番大切なことを訴え、図表も使って、自分の言葉で説明、説得したでしょう。それに反するGoToキャンペーンなんて、絶対にやらなかったでしょうね。
※週刊ポスト2021年2月26日・3月5日号