国内

コロナに弱腰な日本政府 必要なのは中曽根康弘氏の「俺が俺が」精神

中曽根康弘氏が首相だったら、コロナ禍をどう乗り切る?(時事通信フォト)

中曽根康弘氏が首相だったら、コロナ禍をどう乗り切る?(時事通信フォト)

 未曾有のコロナ禍にもかかわらず、リーダーシップに欠け、対策も後手後手に回っている日本政府だが、いま昭和を代表する政治家、中曽根康弘氏が首相だったら、このコロナ禍をどう乗り切っただろうか──。外交評論家の加瀬英明氏が、過去の歴史を振り返り、現状を打破するヒントを提言する。

 * * *
 先進国のなかで、日本はワクチン接種が大きく遅れています。OECD加盟国37か国のなかで、接種が始まっていないのは日本を含む5か国のみ。これは日本政府の弱腰がなせる業でしょう。

 もし中曽根さんが首相なら、レーガン大統領との「ロンヤス関係」に象徴される強固な日米同盟の関係を生かし、諸外国を出し抜いていち早く国民のためにワクチンを調達していたはずです。

 中曽根首相は貿易赤字縮小や不沈空母発言などで「アメリカ追随」と批判を浴びました。しかし、首相特別顧問として間近で見ていた私からすれば、彼は日本にとっての必要性を勘案してアメリカに従っていた。核兵器を持たない日本はアメリカに頼らざるを得ないからです。

 中曽根首相は、ただアメリカの言いなりになるのではなく、日本の存在感を示すことを考えていました。1983年のウィリアムズバーグサミットでの記念撮影では、レーガン大統領の隣のポジションを勝ち取り、「日本の国際的地位が上がった」という印象を世界に与えました。

 コロナ禍の今、一国のリーダーである首相に求められているのは、中曽根首相が持っていたような強力なリーダーシップであり、「俺が、俺が」という気概です。

 中曽根首相の発信力の高さは安倍首相や菅首相とは比べ物になりません。貿易赤字が日米の外交問題になっていた1985年には、会見場にパネルを持ち込み、グラフで貿易赤字の状況を示しながら説明しました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
米国からエルサルバドルに送還されたベネズエラのギャング組織のメンバーら(AFP PHOTO / EL SALVADOR'S PRESIDENCY PRESS OFFICE)
“世界最恐の刑務所”に移送された“後ろ手拘束・丸刈り”の凶悪ギャング「刑務所を制圧しプールやナイトクラブを設営」した荒くれ者たち《エルサルバドル大統領の強権的な治安対策》
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
中居正広氏とフジテレビ社屋(時事通信フォト)
【被害女性Aさん フジ問題で独占告白】「理不尽な思いをしている方がたくさん…」彼女はいま何を思い、何を求めるのか
週刊ポスト
食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《食道がん公表のとんねるず・石橋貴明(63)》社長と所属女優として沈黙貫く元妻の鈴木保奈美との距離感、長女との確執乗り越え…「初孫抱いて見せていた笑顔」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン