──でも、あの頃の有森さんには、女優として評価されながらも、爆発したいのかな? と感じていました。
有森:そうですね。女優として、世の中から求められているものと自分がやりたいことのギャップは感じていました。そんな中でグラビアや写真集など紙媒体は、少しずつやりたいことを表現できました。ある意味、捌け口だったというか。
──グラビアは自分をさらけ出せる場だったと。
有森:はい、そういうチャンスのある場所でした。私がこの写真集で一番好きなのは最終ページの写真。発売前に乳首を消すかどうかの話も出たけど、「消したら意味がない」と強く主張して。
──事務所の箱入り娘で大事にされてたからねえ。今は独立されて、何か心境の変化は?
有森:今やっと心と体の足並みが整ってきたかな。表現することにギャップを感じなくなりました。これからも挑戦し続けたいですね。
──まだ挑戦するの!
有森:だって私まだ53歳よ。この前、20代の役もやったし。
──あなたなら女子高生もできる! 60歳の有森さんも撮らせてね。
有森:楽しみにしています。
【プロフィール】
有森也実(ありもり・なりみ)/1967年12月10日生まれ、神奈川県出身。1986年、『星空のむこうの国』で映画デビュー。社会現象となったフジテレビの月9ドラマ『東京ラブストーリー』(1991年)では関口さとみ役を演じる。映画、ドラマ、舞台などで幅広く活躍。NHK『NHK短歌』(毎月第3日曜担当)の司会として出演中。4月に舞台『フラガール』(東京・Bunkamuraシアターコクーン)に出演予定。『有森也実写真集』(2002年刊)の電子版がワニブックスより今春発売予定。
撮影・聞き手/小澤忠恭
※週刊ポスト2021年3月12日号