2月16日に支配下登録された八百板卓丸外野手を含め、キャンプ前の段階で巨人には26名もの育成選手が登録されていた。その中には、過去のドラフト1位もいる。
「2017年の鍬原拓也、2019年の堀田賢慎です。ケガが表向きの理由ですが、治って戦力になると見込まれれば、すぐに支配下登録されるでしょう。一昨年、イチロー以来の高卒1年目で2軍の首位打者を獲得し、1軍出場もした山下航汰がケガの影響で、今季は育成に逆戻り。しかし、3月8日に一軍に合流し、今後オープン戦に出場していく見込みです。結果を残せば支配下登録され、開幕1軍もあり得るでしょう」
高卒3年目の直江大輔は、オフに原監督が「新人王を取らせる」と意気込むほどの期待の右腕だが、ケガのために育成契約になっている。
「不思議な話ですよね。昨年も3試合に先発し、年俸は180万円アップの750万円になったのに、育成選手登録です。有望な若手を他球団に取られないために知恵を絞ったのでしょうけど、巨人には江川卓入団時の“空白の1日”などルールの抜け道を通って、強行突破してきた歴史がある。またズルいことをしていると思われてしまう」
セ・リーグ理事会ではDHの話題は出ても、巨人の育成契約についての話し合いは行われていないようだ。
「他球団が、FAの人的補償に育成選手も含むべきだと主張すればいい。DHの話はそれからだと。原辰徳監督は過去に人的補償を廃止すべきだと語っており、議論は思わぬ方向にいくかもしれない。しかし、グラウンド外でも揺さぶりをかけていかないと、どんどん巨人のペースに巻き込まれていきますよ」
今季、巨人は早くも2選手を育成から支配下に上げた。シーズン終了時、何人が“育成”を脱しているか。