放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、香取慎吾(44才)について。
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9日、香取慎吾、初のソロステージ『さくら咲く 歴史ある明治座で20200101 にわにわわいわい 香取慎吾四月特別公演』(4月9日~4月29日、明治座)が情報解禁され、同日、ホームページが開設された。
コロナ禍でライブが中止になり落胆
昨年4月29日に「さいたまスーパーアリーナ」で開催予定だった『20200429PARTY!』は、他のコンサートやイベント同様、新型コロナウイルス感染拡大により中止となってしまった。
豪華アーティストらと香取がコラボした楽曲や彼の新たなる歌への想いは、同年4月4日、『SONGS』(NHK)で披露された。「もっと歌って踊りたくて作った曲を披露できる場を作ってくれて感謝しています」とコメントを寄せた香取。そんな彼の想いと共に、『~PARTY!』で大いに盛り上がる心づもりだったファンの落胆は計り知れなかった。
実は香取も、コロナ禍で唯一と言っていいほど、同ライブの中止は凹んだ…と明かしている。主演ドラマ『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』(テレビ東京系)の取材会に出席し、『女性セブン』本誌でインタビューさせてもらったときのことである。
「キャパが3万5000人という会場でやる予定だったので…、それがなくなってしまったのは、けっこう(メンタルに)響いていたみたいですね」と。
SMAP時代から、ライブの構成を香取が担当していたことは周知の事実。彼がどれだけ準備を重ね、どれだけ華やかで洒落た演出を考えていたかと思えば、「凹んだ」ことは想像に難くない。
「見せる」才能に長けている
音楽のみならず、あらゆるエンターテインメントにおいて「見せる」才能に長けていて、強いこだわりをもっている香取には、放送作家さながらの側面もある。たとえばAbemaTVの「ななにー」こと、『7.2 新しい別の窓』では、「毎月トンデモない量の打ち合わせをしています。なんでそんな打ち合わせしてるんだろうと思うくらい、やっている」と言っていた。
そんな香取をバラエティーの放送作家たちが昔からどう評価していたかというと、「あれほど、わかっている人はいない」「とにかくセンスに溢れまくっている」だった。自分が何をすればいいか即座に判断し、言葉を発したり、動いたりする。そんな特性は彼が紡ぐ音楽にも活きているように思う。本来なら、もっともっと音楽番組に出てほしい。香取自身もそれは望んでいるが、このたび晴れて、ソロステージとなって形になる。
リリースには「香取ならではの演出、こだわりが随所にあふれた内容となっております」とあり、私は既にウキウキしてしまっている。しかも、“箱”は『明治座』である。スケジュールを見ると、香取の前には、「大江戸寄席と花街のおどり―その十―」、その前は「林家木久扇 芸能生活60周年記念公演」、香取の後は上川隆也、小池徹平、浅野ゆう子、松平健らが出演する「魔界転生」、そして「水谷千重子50周年記念公演」「水森かおり公演」へと続く。こうしたラインナップ内にあって、「さくら咲く」「歴史ある明治座で」と謳う“わかっている”香取が見せるステージが、「さいたまスーパーアリーナ」とは別物であることは間違いないだろう。