このままマイクを握ることなく、芸能界から去っていくのか。そう誰もが諦めかけていた。山口達也の事件以来、TOKIOは音楽番組のみならず、デビュー25周年ライブさえやらなかった。“活動期限”があと1か月に迫ったとき、奇跡が起きた──。
青や黄色、シルバーのポンポンやうちわを振りながら声援を送るファンたち。その視線を一身に浴び、白いスーツに身を包んだ男性4人組がステージ前方へと歩み出た。観客は100人に満たない小さなイベントステージ。彼がこれまで音楽を奏でてきた東京ドーム、日本武道館といった会場とは規模がまったく違う。しかし、たしかにステージに立った。
長瀬智也(42才)だ。立ち位置は右端。ギターは持たず、リードボーカルはほかのメンバーに譲っている。流れているメロディーはいつものロックではなく、ムード歌謡。1分以上コーラスを務めると、ボーカル魂を抑えきれなくなったのか、最後にはスタンドからマイクをもぎ取り、長い足でスタンドを勢いよく蹴飛ばす。そして、長瀬は「恋はブリザーード!!」とシャウトして、ポーズを決める。長瀬が、ついに歌った。ドラマ『俺の家の話』(TBS系、2月26日放送)の第6話でのことだ。
「長瀬さんが能の人間国宝の長男で、元プロレスラーという役を演じる話題のホームドラマです。社会問題である介護や伝統芸能の存続、遺産相続などの問題に切り込んでいて注目されています」(芸能関係者)
劇中で長瀬がステージに立ったのは、久しぶりに家族全員で出かけた福島旅行でのこと。阿部サダヲ(50才)率いる、純烈ならぬ『潤 沢』というムード歌謡グループの臨時メンバーの1人として登場した。ドラマ関係者が明かす。
「家族旅行の撮影は2月5、6日と8、9日の4日間にかけて、福島県いわき市のリゾート施設『スパリゾートハワイアンズ』で行われました。出演者はハワイアンズに宿泊しながらロケを行い、撮影の合間はかなりリラックスして過ごしていましたね」
冒頭の歌唱シーンが撮影されたのは、ロケ最終日の9日の昼頃だったという。
「スタッフはもちろん、一緒にステージに立った桐谷健太さん(41才)、永山絢斗さん(32才)も長瀬さんの久しぶりの歌声を楽しみにしていました」(前出・ドラマ関係者)
その期待に、長瀬は堂々と応えた。