過去イチの拒絶率から学んだこと
――往時のスマホゲーム実況や、〈やってみた〉〈ドッキリ〉の後、なぜ今、山コンテンツだったのでしょうか。
スマホとゲーム実況動画が一旦落ち着いて、次の10年、何で仕事しようかと思ったときに、先が見通せない市場で戦いたくて。さらにどういう社会を実現したいかとか、何の社会課題を解決するか、そういったところが起点で、自分がどういう社会的な使命を果たしたいかと考えた時、私の場合農業だった。それが山コンテンツに繋がっています。
――手応えはいかがでしょうか。
当初、「マックスむらい」チャンネルで配信したんですけど、私がこれまでやってきたコミュニティには受け入れられないっていうのは、痛感しました。あのね、拒絶率というか、親和性のなさが過去イチ(笑)。
YouTubeには視聴者維持率といって、動画を最後まで見てくれる人の割合を示す指標があるんですけど、どうしてもゲーム実況のイメージが強い「マックスむらい」チャンネルにおいては、山コンテンツの維持率は相当低くて、25%を切るくらいでした。ただし、サブチャンネル「AppBankTV」での山コンテンツはほぼ全ての動画が70%弱と、相当高かったんです。そこで山コンテンツを専門に配信するチャンネルを独立(「KUZRAの山」)させました。
なので、手応えでいうと、時間の問題だなと。山チャンネルに継続的にコンテンツを投下することで、既存の視聴者の中で山が興味がある人に加えて、山単体での新規のユーザーを確実に増やしていける実感はあります。
HIKAKINやはじめしゃちょーにはなれない
新規事業は、最初の1年はやっぱ手探りすべきだと思うし、変に自分の名前を使ったり、他人や先駆者たちの実績とかを基にしてタッグ組むとか、そういうのってあんまり長持ちしないと思ってるので、まあゼロからやりますか、みたいな。
もちろんYouTubeにおいて再生回数は重要な指標です。でも遠回りかもしれないけど、草むしりからしようぜ、鍬振ろうぜ。それが他人にどう評価されるかというよりも、どちらかというと、自分で汗をかいて、もう1回ちゃんと苦労を自分の中にインストールする方が重要かなと思っているので、草、むしってます。
――今後さらに山コンテンツを拡充するうえで、考えているアイデアはありますか。
あくまで“言い過ぎ”という前提ですけど、一般のお客様向けではないのですが、山の上にYouTubeのスタジオを作ろうかなと思っています。春を目標にしてゴー☆ジャスさんとか、はじめしゃちょーさんとか、毎週ゲストを呼んで、動画発信していきたい。
私はHIKAKINさんとか、はじめしゃちょーさんのように、1人でカメラに向かって一人でエンターテイメントを作りきることができるクリエイターではない。クリエイターとしての〈マックスむらい〉の力って、周りを巻き込む力、『場』としての力なんです。なので、結局どう場を作るか、どう他人を巻き込むか、一緒にどう楽しむか、という方が自分には合っているんじゃないかなと思っています。