初日から2連勝していた白鵬だが、2日目の取組後に右膝を気にする素振りを見せると、翌日から休場。場所中に右膝を手術し、次の5月場所も休場するとみられている。
「途中休場を含めて6場所連続休場になるから、簡単には決められないはずなのに、あっさりと休んだ。“年寄株が手に入る”という余裕があるからではないか」(同前)
相場上昇でも、「資金力が違う」
バブル期には3億円ともいわれる超高額で年寄株が売買されたが、2014年に相撲協会が公益財団法人化する際、売買は禁止となった。しかし、実態としてはいまもカネが動く。協会は結局、前任者への顧問料、指導料などの支払いを認めている。
「それに加えて様々なかたちで費用があり、取得の相場は下がって1億円程度といわれていたが、ここにきてまた高額化の動きがある。理由のひとつが、再雇用の増加です。
もともと65歳定年だったのが、2014年から70歳までの再雇用制度が導入され、株の数が足りなくなっているのです。需要が供給を上回り、しかも65歳定年のときより5年分余計に給与や養成費を上乗せしたカネが必要になるため、相場が2億円ほどになっているという話もある」(前出の協会関係者)
白鵬の取得が取り沙汰される「間垣」については、現在、「井筒」の株を借りて時津風部屋の部屋付き親方となっている元関脇・豊ノ島が継承するという情報もあった。二所ノ関一門の親方が言う。
「鶴竜が引退すれば、5年以内に『井筒』を襲名することになる。そうしたら、元・豊ノ島は株がなくなって退職です。そんな窮地のなか、同じ時津風部屋で空き名跡が出たのだから、元・豊ノ島が『間垣』を継ぎそうなもの。ただ、近年の高額化で費用が工面できなかった可能性がある。横綱在位が14年近くになり、太いタニマチもいる白鵬なら2億円でも3億円でも出せる。資金力に違いがありすぎる」
年寄株取得には、協会の年寄資格審査委員会の承認を経て、理事会で認められる必要がある。「一門外の白鵬への株流出を阻止する巻き返しがあるのでは」(後援会関係者)との声もあり、状況はなお不透明だが、白鵬の有力タニマチのひとりは「これで(年寄株の手配の)目処が立った」と安堵の言葉を口にした。