ICT教育で大きく実績伸ばした東京の私立高
3位は広尾学園で369人増の457人だ。内訳を見ると、早稲田大3人→35(+32)人、慶應義塾大1人→27(+26)人、上智大7人→57(+50)人、東京理科大4人→68(+64)人などだ。
広尾学園は元は順心女子学園で、2007年に共学化して現校名に変更した。インターナショナルコースを設置し、医進・サイエンスコースを2011年に高校に、2015年に中学に設置した。中高ともこの2コースに本科を加えた3コース制だ。
英語教育、サイエンス教育、ICT(情報通信技術)を活用した授業で実績を大きく伸ばしてきた。昨年はコロナ禍で、ICTを活用してきた実績があるため、休校中もオンライン授業にすぐに取り組み評価も高かった。
1年で270人以上増やした埼玉の公立トップ校
4位は大宮開成、5位は女子校の洗足学園、6位は公立中高一貫校の浦和・市立と高校単独校の朋優学院だった。
浦和・市立は2007年にさいたま市初の中高一貫校となった。まだ中高一貫生が卒業していない10年前の合格者数は408人で、昨年は457人に過ぎなかった。それが今年は729人に激増している。
これだけ伸びたのは、おそらく中学受験と関係があると見られる。今年の現役大学受験生は、2015年に中学受験だった。リーマンショックの経済不況後、中学受験の志願者は減少し始め、2014年に底を打っている。
2015年から志願者は上昇に転じるが、まだまだ志願者数が少なく、経済的負担の軽い公立一貫校人気が高かった。私立中高一貫校を諦め、公立一貫校を目指した受験生も多かったと見られる。それが実績にも出たのだろう。同様に中学受験を諦め公立中、公立トップ高進学を目指した受験生も多かったと見られ、今年の大学合格実績での公立高躍進につながったようだ。