ライフ

『患者よ、がんと闘うな』の医師・近藤誠氏が考える「コロナとの共存」

近藤誠医師が「コロナと闘うな」と呼びかける真意は?(イメージ。時事通信フォト)

近藤誠医師が「コロナと闘うな」と呼びかける真意は?(イメージ。時事通信フォト)

 1996年に50万部のベストセラーとなった著書『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋)でがん治療の問題点を真正面から指摘し、「がんは放置せよ」という新たな理論を提唱した近藤誠医師。医学界でたびたび論争を巻き起こしてきた近藤医師がいま、新型コロナワクチンの接種を待つ日本国民に、「コロナと闘うな」と呼びかけている。

 * * *
 世界中で新型コロナワクチンの接種が開始され、日本でも高齢者向けの接種が始まりました。ワクチンを打つか打たないか、悩んでいる人は多いですが、どちらにせよ新型コロナ対策に過剰に追われる必要はないと思います。

 ワクチンは原理上、新型コロナの発症や重症化を防ぐ可能性はあるものの、いま問題になっている変異株についても効果を発揮するという保証はありません。

 副反応が疑われる死亡者も世界中で確認されています。このあたりは著書『新型コロナとワクチンのひみつ』(ビジネス社)のなかで解説しましたので、詳しく知りたい方は読んでいただければと思います。

 本来、新型コロナの対策は、「死亡者を減らす」という一点に尽きるはずです。現時点で日本は欧米に比べて死亡者が桁違いに少なく、変異株の流行後も感染者の死亡率はさほど上がっていません。日本人は基礎疾患を持つ患者が少ないことが影響しているとみています。

 むしろ、いまは過度な自粛生活で神経をすり減らし、「コロナうつ」による自殺者が増加しています。とりわけ高齢者は他者との交流や会話がなくなると認知症が進行することが分かっており、運動不足は体の虚弱化に直結する。

 こうなると新型コロナ感染時の重症化リスクも高くなる。本末転倒も甚だしい話です。これはがん治療に過剰な期待や希望をした末に手術や抗がん剤のダメージで逆に死期を早めてしまったがん患者と同じに思えて仕方ないのです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
漫画家・柳井嵩の母親・登美子役を演じる松嶋菜々子/(C)NHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合) 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
松嶋菜々子、朝ドラ『あんぱん』の母親役に高いモチベーション 脚本は出世作『やまとなでしこ』の中園ミホ氏“闇を感じさせる役”は真骨頂
週刊ポスト
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト