「一度は罹る」という覚悟
新型コロナは風邪ウイルスに似ており、人間社会から消えてなくなることは、おそらくないでしょう。一度感染した人が変異株に再度感染する可能性は否定できないし、ワクチンも効果は一時的だと思います。私たちはこのウイルスとずっと共存していかなければならないのです。
ただ、それは新型コロナの脅威が半永久的に続くことを意味しません。重症化、死亡する人は、新たな感染症の常として時間の経過とともに減っていくはずです。
いずれウイルスが弱毒化するか人々に免疫がつくかして、「ただの風邪」になるでしょう。2009年に感染が拡大した新型インフルエンザも、いまや「ただの風邪」でしかない。
人間社会で風邪を完全に防ぐことなどできるはずがなく、どんなに対策しても、罹る時は罹る。ウイルスはがんと同じく「闘う」相手ではないのです。医療崩壊という事態は避けねばなりませんが、「一生に一度は誰もが感染する」と考えて新型コロナと向き合うほうが、よほど現実的ではないでしょうか。
ある意味、人の力ではどうしようもできない「自然の理」と捉える姿勢が肝要だと考えます。
※週刊ポスト2021年5月7・14日号