5月場所は大関に復帰した照ノ富士が見事優勝を飾り、復活を印象づけたが、裏ではモンゴル出身の“先輩”の今後に注目が集まっている。
相撲部屋には「親方」と別に「裏オーナー」がいる──本誌・週刊ポスト5月21日号では全相撲部屋の登記情報を調査し、「親方」と「物件の所有者」が異なるケースが複数あると報じた。
そうしたなか、先に「オーナー」が決まり、「親方」が誰になるか注目されるのが「旧・井筒部屋」だ。2019年に先代の井筒親方(元関脇・逆鉾)が亡くなって閉鎖されたものの、“再興”の動きがある。
「墨田区両国の建物は一度取り壊されたが、跡地に相撲部屋を併設した賃貸マンションの建設が始まり、来年3月に完成予定だ。現在、『井筒』は元関脇・豊ノ島が借株で襲名しているが、権利は元・逆鉾の未亡人にある。新たな部屋の建築主も未亡人で、『井筒』の正式な継承者が部屋を再興するのだろう」(協会関係者)
継承者の“本命”は元・逆鉾の愛弟子で、3月場所中に引退した元横綱・鶴竜とされていた。現時点では元横綱に認められる特例を使って、現役名のまま協会に残っている。
「直接の弟子では鶴竜以外に候補は見当たらない。ただ、元・逆鉾には30代の一人娘がいる。旧・井筒部屋の関係者には、この長女と結婚した相手による部屋の再興を願う声が根強くある。佐渡ヶ嶽部屋で先代親方(元横綱・琴櫻)の長女と結婚した元関脇・琴ノ若が部屋を継いだが、かつては“相撲部屋に男児はいらぬ”と言われ、娘婿に継がせることは珍しくない。そうなると既婚者の鶴竜は対象外。すでに継承者候補として話が進む別の一門の若手力士がいるという話もあり、鶴竜が株を継げる可能性は低いだろう」(後援会関係者)