福井県の自民党県連会長代行を務める斉藤新緑県議(64)は今年2月、議会報告の冊子に「バイデンはこの世にいない」と記し、朝日新聞の取材に「コロナワクチンにはマイクロチップが入っていて、5G電波で操られる」と述べたことがある。これらの主張も、元はQアノンから発せられた言説である。
日本でも密かにQアノン信者が増えつつあるのだと、渡辺氏は言う。
「日本の場合は、まだ主要なメディアが過激な思想や行動をはじく力を持っていると思いますが、社会の中で不遇な立場にあると認識している人たちの中から『上級国民』という言葉が出てきたり、マスコミを『マスゴミ』と呼ぶ人が出てきたりしているので、台頭する素地はあります。すでに日本でもQアノンの陰謀論を信じ、トランプを救世主と崇める人は増えていて、今や『Jアノン』と呼ばれるようになっています」
※週刊ポスト2021年6月11日号