東京五輪が1年延期されたことで販売も一時凍結していた選手村跡地のマンション群「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」が今秋から販売再開される。総戸数5632戸(うち分譲は4145戸)の日本最大級プロジェクト。果たして本当に売れるのか──。住宅ジャーナリストの榊淳司氏がレポートする。
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コロナ禍で紆余曲折あった東京オリンピックが閉幕し、パラリンピックが始まっている。世界中から集まったアスリートたちが繰り広げる人類の「限界への挑戦」が終われば、今度は日本のマンション業界の主要プレイヤーによる五輪選手村跡地を舞台とする「限界への挑戦」が再開される。
五輪の開催有無に振り回された購入者
販売戸数4145戸のビッグプロジェクト「晴海フラッグ」の販売が11月から再スタートするのだ。すでにパビリオン見学会も始まっている。
オリンピック開催中、選手村で過ごす世界のアスリートがインスタグラムなどで多くの画像を公開した。中には選手村から見る美しい都市景観や夕日を背景にしたものも多かった。幸いなことに、オリンピックは大きな事故もなく終わった。選手村は多くのアスリートたちにとって思い出の場所になったはずだ。
そして、彼らが過ごした選手村は分譲マンションとなる予定だ。
選手村跡地のマンション・晴海フラッグはコロナ騒動の約1年前から集客を始め、2019年中には第1期として900戸前後の販売契約を終えていた。ただ、コロナが始まったことで五輪の開催も1年延期。にわかに入居時期が「未定」となった。購入契約者の予定は大いに狂ったはずだ。
売り主側は手付金返還のキャンセルを認めた。それによってどの程度のキャンセルが発生したかについての広報はない。おそらく700戸以上の契約はそのままではないかと推測する。
となると3千数百戸の住戸が今後販売される。オリンピックとパラリンピックが開催されたことで入居時期も「2024年3月下旬」と表示されるようになった。当初より1年ほど延びたことになる。