そこで、入院後は4種類の糖尿病治療薬を含めてすべての薬の服用を一時中止。点滴加療による絶食期間を設け、その間の血糖コントロールはインスリン注射で行なったという。疼痛の訴えもなかったので、疼痛治療薬の処方も取りやめた。
食事再開後も、1日2回計10錠飲んでいた4種類の糖尿病治療薬は中止し、1日1回投与のインスリン注射薬に変更。退院後、ホームでも無理なく継続できるよう、施設職員と相談して回数や時間を調節したのだという。その他の薬についても、1剤ずつ必要な薬のみを医師と薬剤師が協議して再開。その結果、男性の薬は18種類→4種類(+インスリン注射)に減薬することができた。
「1日7回だった服用回数が、朝昼晩の3回と1日1回のインスリン注射に減ったことで、服用が煩雑ではなくなった。飲み忘れがなくなり、医師の処方通りに患者さんが服薬するようになったと考えられます」(長澤氏)
※週刊ポスト2021年9月10日号