NEWSの加藤シゲアキ(34才)が役者として、存在感を発揮している。話題のドラマ『二月の勝者』(日本テレビ系)での塾講師役、そして、初の時代劇で本格的な殺陣に挑戦している。役者・加藤シゲアキの魅力にコラムニストのペリー荻野さんが迫る。
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今期、加藤シゲアキが俳優としてふたつの個性的な役に挑んでいる。
ひとつは『二月の勝者』の灰谷純。灰谷は、「第一志望に全員合格」を宣言し、「親はスポンサー。子どもは金脈です」「中学受験は課金ゲーム」などと言い放つ桜花ゼミナールの校長・黒木(柳楽優弥)の後輩で、名門塾ルトワックのトップ講師だ。
灰谷は、黒木がルトワックを辞めたことが許せず、たびたび黒木の前に現れては「(辞めた理由を)必ず突きとめます」と言ったり、桜花の新人講師・佐倉(井上真央)に「(黒木を)信用しないほうがいいですよ」とささやいたり、黒木のあとをつけたりする。意外にヒマなんですかね、灰谷先生…。
もうひとつは、BS時代劇『剣樹抄~光圀公と俺』の錦氷之介。江戸初期。若き日の水戸光圀(山本耕史)は、江戸の大半を焼き尽くした「明暦の大火」が、幕府転覆を狙う悪党の陰謀ではないかとにらむ。自ら町を歩き、時には庶民の風呂屋にまで潜入して蒸し風呂入浴シーンまでこなした光圀が突き止めた放火一味の首領、それが錦氷之介(加藤)だ。
屋根の上で、燃える町並みをみながら、「よい眺めじゃ」と高笑いをする氷之介は、眉毛を塗りつぶしたほの白い顔に、真っ赤な唇。キラキラな着物を着て、金のドクロの杯で酒をあおる。妖しい。まるで光る妖怪。『二月の勝者』の灰谷役では、髪を明るい色に染め、ホクロもつけて役作りしたという。塾生のママたちにキャーキャー騒がれる笑顔が爽やかな灰谷と氷之介のギャップはすごい。
しかも、氷之介はとっても強いのである。いよいよ光圀と一騎打ちとなると、左手一本で剣を操り、くるりくるりと回転しつつ、剣豪・光圀を翻弄。光圀の刀に飛び乗り、ジャンプして戦ったりする。加藤は本格的な殺陣は初めて。対する山本耕史は、大河ドラマ『新選組!』の土方歳三はじめ、数々の時代劇で剣士を演じている。山本はこの作品では、あえて動きにくい形をとって、斬新な立ち回りを創り出したと語っている。ぐいぐいとタフに押してくる山本に、加藤は魔物的な予想できない動きで対応。そう簡単には勝負はつかない。