昼番組や特番も再評価と有効活用
「既存番組を再評価し、有効活用しよう」という動きは、深夜番組だけに留まりません。
1月28日に関東ローカルの昼番組『スクール革命!』(日本テレビ系)が13年目で初の全国ネットゴールデン特番を放送しました。これは同番組の多彩なクイズ企画の面白さと、内村光良さん、アンタッチャブル・山崎弘也さん、オードリー、Hey!Say!JUMPの3人などレギュラー陣の楽しげなムードが再評価されてのことでしょう。
また、特番の再評価と有効活用という点で挙げておきたいのは、『クイズ!ドレミファドン』(フジテレビ系)。2010年代の年1~2回から、このところ年3回に放送頻度が増えていました。これは家族そろって見られる「ヒット曲」「クイズ」という普遍的なコンテンツが再評価されたからであり、季節ごとの新ドラマ番宣に絡める形で有効活用されているのです。
少し毛色の違うところでは、13日19時から放送される『妖怪ランキング大百科 鬼強い!鬼とヤバいもののけたちが大集合!』(フジテレビ系)も、再評価と有効活用というキーワードが透けて見える特番。「妖怪」というファミリー向けのコンテンツを再評価するとともに、この日に最終話を迎えるアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』の“鬼”という要素を有効活用した様子がうかがえます。
「既存コンテンツの再評価と有効活用」というテレビ業界の動きは今後も続く可能性が高いだけに、次はどんな番組がゴールデン・プライムタイムで放送されるのか楽しみです。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。