オンラインならば、ネット接続できる環境を確保できればどこでも講義を受けられる。日付が重なっても時間が違えば、講義とインターンの両方に出席できるので学生にとって便利ということらしい。では、この利便性のために、大学生の誰もが何かにつけオンラインを志向しているのかというと、実際にはもう少し複雑だ。
オンライン講義を行っていた前期の間も、「対面講義を希望」という声は多かった。一方で、「オンラインのままのほうが都合がいい。対面になるとバイトなどの都合で参加できなくなってしまうので」という学生もいた。
いまの大学生はとても忙しい。前述のように、終始何かのタスクに追われている。アルバイトも、自分のお小遣いを増やすためではなく、学費や生活費を補うのに欠かせないという。勉学とアルバイトだけでも時間はなくなるのに、就職を見据えたインターンシップも欠かせない。どれも欠かせないので、おのずとハードスケジュールにならざるをえない。
確かにオンラインのみでは友だちもできず、大学生らしいキャンパスライフも送れないので不満を抱く。一方で、移動が要らないとか効率よく参加できるなどのオンラインのメリットも感じているというわけだ。これは大学の講義だけではなく、インターンや就活にもオンラインならではの利点が当てはまるようだ。
「参加しやすいが雰囲気が分かりづらい」の声
そもそもインターンシップとは、学生が企業で仕事を体験する制度を指し、“就業体験”とも呼ばれる。仕事の内容ややりがいが感じられる体験型プログラムの場合もある。企業や業務内容について理解できたり、自己理解を深めるためにも必要とされる。
オンラインインターンシップとは、その名の通り、オンラインで実施されるインターンシップのことだ。就活生は、Zoomなどのオンライン会議システムやチャットツールなどを使って参加することが多い。
グループワークを行ったり、簡単な業務体験をしたり、社内会議に同席したり、社内見学や工場見学などを行うこともある。従来は対面式で行われていたが、コロナ禍で対面での実施が難しくなり、オンラインでの実施が進んでいるというわけだ。