「政敵」河野が復活
その岸田首相の失態が自民党内に新たな波乱を呼び起こしている。
「堀内詔子ワクチン大臣チームの強化へ」
2月8日、自民党公式HPにそんな見出しで異例の告知がアップされた。
〈河野太郎前大臣時代に大臣を支えたメンバーが再びワクチンチームに異動するとともに、ワクチンチームの部屋も堀内大臣室の近くに移動します〉
“お飾り大臣”の堀内氏はワクチンチームの縮小や地下室に追いやられていたことを知らなかった。河野氏の暴露をきっかけに国会で追及され、岸田首相は慌ててチーム強化に乗り出さざるを得なくなったのである。
この告知は党広報本部長の河野氏がテコ入れしている機関誌「自由民主」ネット版記事の抜粋で、内容は岸田内閣の不手際を批判し、河野氏の“手柄話”に読める。
政府が2月からスタートさせた追加接種推進を呼びかける広報動画にも、堀内氏とともに河野氏が出演した。岸田首相がワクチン無策で批判される中、「政敵」の河野氏が出番を増やしている。
そんな中で河野チームを復活させ、名誉挽回をはかる堀内氏に「運命の日」が近づいている。
五輪相の任期は法律で3月末までと定められ、現在20人の大臣定員は19人に減らされる。堀内氏はクビの危機なのだ。
「内閣法で3月31日までで大臣の定員が1人減ることになっています。(五輪担当大臣がなくなると言われていることについては)制度上は(どの大臣を減らすかは)総理のご判断次第です」(内閣官房オリパラ事務局)
堀内氏がワクチン担当相として活躍していれば、“いま大臣をやめさせるわけにはいかない”と残し、かわりに他の大臣をクビにする選択もあったかもしれないが、現状を考えると、むしろ岸田首相は堀内氏に全責任を負わせて辞任させる可能性が高い。
そうなれば「岸田派のプリンセス」は岸田首相のコロナ失政のスケープゴートにされる。
※週刊ポスト2022年3月4日号