プロ野球のポジション別の日本人最高年俸を見ると、投手の田中将大(楽天)の9億円(推定。以下同)を筆頭に、外野手は柳田悠岐(ソフトバンク)の6億2000万円、丸佳浩(巨人)の4億5000万円、吉田正尚(オリックス)の4億円、遊撃手は坂本勇人(巨人)の6億円、二塁手は山田哲人(ヤクルト)と浅村栄斗(楽天)の5億円、三塁手は岡本和真(巨人)の3億円と続く。プロ野球担当記者が話す。
「サードがやや低くなっていますが、岡本に加えて村上宗隆(2億2000万円)がいますし、これからどんどん伸びていくでしょう。一方で、野手の中で最も重労働と言われる割に、キャッチャーは相対的に見れば高いとは言えないですね。外国人選手の集まるファーストを除けば、ポジション別で最も低い額になります」(以下同)
捕手は甲斐拓也(ソフトバンク)と森友哉(西武)の2億1000万円、一塁は鈴木大地(楽天)の2億円が最高額となっている。
「昨年、捕手で規定打席に達したのは中村悠平(ヤクルト)、梅野隆太郎(阪神)、坂倉将吾(広島)、甲斐拓也(ソフトバンク)、森友哉(西武)の5人でした。坂倉は一塁で57試合、捕手で53試合、指名打者で3試合のスタメン出場ですから、実質的には4人と言っていいでしょう。一昨年は森友哉の1人だけです。近年は捕手を固定せず、併用していくチームが増えている。そのため、年俸面でも他のポジションと比べて、劣っているのかもしれません」
4人はいずれも年俸がアップしている。アップ額順に並べると、中村8000万、梅野5000万、森5000万、甲斐は4500万となる。
「中村は守りだけでなく、2番を打つなど攻撃でも優勝への貢献度が高く、3年契約を結んでいます。梅野は終盤、スタメン出場が減り、打撃不振だった時期もありましたが、FA権を持っていたこともあって、年俸大幅アップと3年契約を勝ち取った。
パ・リーグでは、チームは最下位に沈んだものの、森は2年ぶりに3割を打ったことで評価された。2020年は12球団唯一の規定打席に達した捕手でしたが、2割5分9厘、9本塁打、38打点と成績がかなり落ちたためか、4000万ダウンでした。やはり、打撃が重視されたのでしょう。
甲斐の場合はチームが8年ぶりのBクラス、打撃成績も2割2分7厘と芳しくなかったにもかかわらず、上がった。ソフトバンクが捕手への査定を見直したからです。他のポジションと比べて、負担の大きい捕手は出場数自体が評価につながるとした。そのため、143試合フル出場した甲斐はアップしました」