しかし、それが流行語として一人歩きすると、選手たちに余計な気を遣わせてしまうし、視聴者にとっても肝心の競技の面白さに目が行かなくなる面もある。カーリングに限った話ではないが、現実問題として冬季競技は五輪では盛り上がっても、その後はあまり注目されないケースも多い。
「テレビで中継しても視聴率が上がらなければ放送を続けるのは難しい。かつては毎日プロ野球の巨人戦、一時はサッカーのJリーグも頻繁に中継されていましたが、今は地上波での放送は激減しています。
どんなにいいコンテンツだったとしても、需要がなければ成立しない。つまり、五輪以外の時に見てくれる人が少ないから、あまり放映されないわけです。日本の国民性と言いますか、4年に一度の五輪の時は食い入るようにテレビを見ますが、それ以外の時は特に関心を示さない傾向が強い。どうしたら見てもらえるか、メディアも試行錯誤しながら考えないといけない課題です」
今大会での銀メダルという快挙は、「そだね~」を封印したことで彼女たちが競技に集中できたから、という側面もあるかもしれない。テレビでは、プレー中の彼女たちの真剣な表情や笑顔が大きく映し出されていた。それをキッカケに試合を見続け、カーリングという競技の面白さ、奥深さを知ったという人もいるだろう。流行語はなくても、視聴者を魅了するだけのものがそこにあった。あとは五輪イヤー以外でも興味を持ち続けてもらえるかどうか。