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対談「おっさんの正体」女性の人数が多い職場が“おっさん集団”になるリスク

谷口さんが語る

谷口さんが語る「おっさんの正体」

 地域密着型ラグビー「リーグワン」が今年1月にスタートした。その発足に尽力した1人が、大阪芸術大学客員准教授で法学者の谷口真由美さん(47才)だ。父が強豪・近鉄ラグビー部で活躍した縁で、2019年6月から日本ラグビーフットボール協会の理事や新リーグ法人準備室長を務めた。しかし、リーグが開幕する直前の昨年6月に理事、準備室長を退任。いったい、彼女は協会内で何を見たのか──。舞台裏を著書『おっさんの掟「大阪のおばちゃん」が見た日本ラグビー協会「失敗の本質」』で明かしている。

 そんな谷口さんが、本誌・女性セブン連載でおなじみの放送作家の山田美保子さんとともに“おっさん”の正体に迫る。【前後編の後編】

谷口:女性が男性と対等な立場であるときは「何、言ってんのよ!」と言える。ですが、おっさん社会ではイヤなことはイヤだとストレートに言うことがとても難しい。それが1つの弊害なんだろうなと思いますね。

〈時代の変遷とともに、男性と女性のつきあいかたは変わっていく。いまの世の中では女性の立ち位置が変わりつつあるが、過去の慣習がこびりついている側面もある。おっさん社会のあおりを受けるのは、いまだに女性だ〉

山田:私の周囲の女性たちが3人もセクハラとパワハラでひどい目に遭ったんです。1人は休職して復帰できず、1人は他部署に飛ばされ、もう1人は干された。会社勤めの経験がない私にはビックリすることだらけです。だってハラスメントの当事者とされる男性たちは、み〜んな無傷だったんですから。

谷口:わかります。どちらを切ったらいいかという場面で、先に女性を切ることが会社の選択肢の中に入っているような気がしてなりません。

 男には家庭があるだの、こいつには守ってやらないといけないものがあるだの、女なら何をしても大丈夫だろうというような風潮がまだまだ日本にはある。

 それと闘うには、その人だけでなく組織的な背景まで相手にしなければならない。彼らの背景には組織の“族長”がいて、その族長とも闘わなければならないのが、“おっさん”との闘いなんです。

“おっさん”同士って、すごくかばい合いますよね? 自分たちが弱い者の集まりだと認識しているから徒党を組むんだと思うんです。そこで仲間はずれにすると、今度は逆に自分が困ったときに切られるのではないかという「互助会」的な考えのよう(笑い)。

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