局アナの冠番組はダメだと烙印を押されたら後輩のチャンスを潰すことにもなると語って、表情を引き締める井上アナ。今回のインタビューでも端々で「局アナ」という言葉が登場するほど、その立場にこだわるには理由がある。
「アナウンサーというしゃべりのプロである以上、番組でもっとメインを張れるような存在でいなければいけないと思うんです。TBSでは局アナがアシスタントに収まっているケースが多く、その状況を変えていきたい。そしてテレビはおもしろいのだと、テレビ離れの風潮を局アナの立場でひっくり返したい。
芸人さんのラジオ番組はとてもおもしろくて、ぼく自身もファンでよく聴いています。ただし、おもしろい=笑うだけではないはず。局アナだからこそ届けられる“おもしろい”があると信じています。
たとえば、『土曜日の「あ」』では報道局員が出演する企画を立ち上げます。報道局がラジオでコーナーを持つというのは初めての試みで、系列局との交渉では局アナの強みが活かされたと思います。外信部の駐在員と中継を繋いで彼らがいる土地柄や、普段はまじめな顔でニュースを伝えている駐在員たちの人柄が伝わるようなコーナーにしたい。ラジオを通じて駐在員を身近に感じることでテレビのニュースにもより興味を向けていただけたらという、局アナとしての願いもあります」
仕事には熱い情熱を傾ける井上アナだが、私生活は37才で独身貴族を貫き続けている。過去、自宅で料理を作らない理由を「料理ができてひとりで生きられるようになると、結婚の後押しがなくなるから」と語っていたが――