新年度が始まり、全国の学校では子どもたちが希望に満ちた新生活をスタートさせた……と思いたいところだが、一方で、近年の学校現場の変化に心配する声も多い。コロナ禍をきっかけに前倒しで進められた「ICT教育の充実」はその一つと言える。
日常のすべてを一変させたコロナを踏まえ、今を生き抜く知恵や情報を1冊にまとめた『ウィズコロナ時代に後悔しない 暮らしの新常識109』(小学館)では、子育てや教育に関する「新常識」について触れている。なかでも同書が注目するのが、文部科学省が進める新政策にまつわる問題だ。
同省が主導する「GIGA(ギガ)スクール構想」(全国の児童・生徒1人に1台のコンピューターと高速ネットワークを整備する取り組み)で、昨年度、全国の児童に1人1台のタブレット端末が支給された。コロナ禍における休校中もオンライン学習で大いに役立った一方で、深刻な問題が表面化している。
平成時代は教育現場に“あったらいいな”であったパソコンやタブレットが、令和に入り“なくてはならない教材”となってきた。他国と比較してデジタルデバイスを用いた教育という点で日本は後れをとっているといわれ、今後も必須であることは間違いない。
しかし一方で、ネットが身近にありすぎる子どもたちにとって「ネットいじめ」が深刻な問題となっている。