文部科学省が公表した「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」におけるいじめの状況において、「パソコンや携帯電話等で、誹謗・中傷や嫌なことをされる」の件数は、平成27年度の約2倍となる1万8870件で過去最多を更新した。
ここ数年で右肩上がりが続いていた全国のいじめ認知件数は、2020年度は減少に転じたが、「ネットいじめ」の件数は引き続き上昇している。前述の文科省調査では、「ネットいじめを受けた」と答えた割合は高校が19.8%で最も高く、中学校では10.7%、小学校では1.8%となっている。
2020年には東京都町田市で、学校で配布されたタブレット端末のチャットを使ったいじめを苦に小学生が自殺した。子どもは大人よりパソコンやタブレット操作の飲み込みが早く、想定外の使われ方をしてしまうことも少なくない。
ネットの特性上、匿名性が高いことも大人たちが気付くのに遅れてしまう要因にもなっている。家庭や学校がネットリテラシーについて理解を深め、指導し続けていくほかない。
※ニューノーマル研究会編『ウィズコロナ時代に後悔しない 暮らしの新常識109』より一部抜粋、再構成