牛丼のレシピでよくあるのは、まず熱した鍋かフライパンにサラダ油をひき、切った玉ねぎを中火で炒める。先に玉ねぎを炒めることで、玉ねぎの甘さを引き出すのだが、元組長はそんなことはしない。
「鍋に200ccの水を入れ、そこに玉ねぎを入れて中火で煮る。時短と手間を省いたレシピだが、玉ねぎは水から煮ることで柔らかくなるんでね」
「用意する味付け調味料は、醤油70cc、みりん100cc、お酒300cc、白だし大さじ1、砂糖大さじ2.5。これらを混ぜてタレを作っておく」
ネットで公開されている人気の牛丼レシピは、先に調味料を入れた煮汁を作り、そこに玉ねぎを入れて煮るというものだが、元組長はそれもしない。では、玉ねぎを煮ている鍋に調味料を入れるのかと思ったが、それも違うという。
「玉ねぎを入れて沸騰したら肉を入れる。そして、そこに作ったタレを混ぜ、キッチンぺーパーを上にのせて、弱火で7~8分煮込めば完成」という超簡単レシピだ。キッチンペーパーを使うのは、それが落とし蓋とアク取りという2つの役目を果たすからで、肉から出るアクをいちいち細かく取らずに済み手間いらずなのだ。
スープ代わりに作るインスタント麺
お好みで紅ショウガを加えれば、チェーン店の牛丼よりも高級感が漂うつややかな牛丼が出来上がる。当番レシピは牛丼なら牛丼だけ、カレーならカレーだけ。おかずはいくつも作らないが、味噌汁だけは作るという。
「ある組の教えで、組事務所ではご飯に味噌汁、漬物だけは用意してたんでね。だけど、今の女の子たちは味噌汁よりスープの方が好きらしい」という。最恐軍団と恐れられた組の教えも、女の子たちの好みには敵わないらしい。
スープ代わりに作るのはマルちゃん正麺のラーメンだ。
「マルちゃん正麺はヤバいくらい旨い」という元組長が用意したのは、醤油味。だがマルちゃん正麺なら、何味でも構わないという。なぜなら「袋の中のスープは使わない」からだ。