また、肌寒い場所で体が震えることも、褐色脂肪細胞を活性化させることがわかっています。10〜15分ほど肌寒い場所にいるだけで、1時間程度の運動と同様の効果があるといわれています」
『いい肥満、悪い肥満』著者で、慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科教授の伊藤裕さん は、そもそも肥満は病気ではないと断言する。
「体に脂肪をため込むのは、生きるために必要な機能です。特に高齢者は、やせすぎると筋力が落ちて、健康寿命が短くなる。日本肥満学会のガイドラインにも“BMIが25以上あっても、医学的に減量を必要とする状態とは限らない”と明記されています」(伊藤さん)
事実、「肥満」にあたるBMI25〜26.9の層と、BMI19〜20.9の層の死亡率を比べると、女性はいずれも1.15倍で、男性は太っている人よりも、やせている人の方が死亡率が高かった。やせすぎは、太りすぎよりも不健康なのだ。やせればいいという時代はもう終わり。適度に、正しく太るのが、健康長寿への近道だ。
※女性セブン2022年6月23日号