一方、緊張型頭痛は体のこりが原因で起きるため、姿勢のくせを直し、しっかり眠るなど生活習慣を改めることが症状の改善につながる。
「片頭痛にも緊張型頭痛にも共通して効果があるのが、僧帽筋や首などの筋肉のストレッチです。仕事や家事の合間に積極的に体を動かすことを心がけてください」
痛みのセルフケアに詳しいみやおか整体治療室の宮岡大樹さんは頭痛緩和のためにセルフマッサージを取り入れることを推奨する。
「ストレスによって無意識に歯を食いしばった結果、血流が滞り頭痛を誘発している人が多くいます。その場合、側頭部の緊張を緩めるマッサージが有効です。“痛気持ちいい”と感じるくらいの強さを意識して行ってみてください」(宮岡さん)
食生活の改善やマッサージなどの対策に加えて行いたいのは、自身の症状と向き合うこと。
「日記のような形式で、いつどんなタイミングで頭痛が起きるのかを記録することは、とても重要です。診察する医師の立場からしても、原因が特定しやすいため治療方針が立てやすく、短期間での治療が可能になります」(川口さん)
もし、こうした対策を取っても症状が治まらなければ、病院へ行くべし。川口さんが続ける。
「“たかが頭痛”と思っている人も多いですが、軽度の脳梗塞や慢性硬膜下血腫などによって痛みが起きている場合もあります。MRIなどの画像診断なら早期発見も可能ですし、自己判断で頭痛薬をのみ続けると薬物乱用頭痛を併発する可能性もある。また、月1回の注射で片頭痛の頻度を約半分に抑えられる『抗CGRP製剤』という薬も登場しています。違和感を覚えたら、早めに専門医を受診してほしい」
イラスト/勝山英幸
※女性セブン2022年6月23日号