国内

高齢者に多い脊柱管狭窄症、鎮痛剤服用は慎重に 根本的解決にならず、腎臓への負担も

背中の痛み、特に脊柱管狭窄症などに悩む人は多い(写真はイメージ)

背中の痛み、特に脊柱管狭窄症などに悩む人は多い(写真はイメージ)

 体が痛みを覚えた時、つい頼ってしまうのが鎮痛剤。薬や湿布など鎮痛剤に頼る人が多いのが腰痛だ。特に年を重ねると腰から下に痛みやしびれが出る「脊柱管狭窄症」に悩む人が増える。東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター特任教授の松平浩さんが解説する。

「太い神経が通っている背骨の中のトンネルである『脊柱管』が狭まることで腰痛や太もも、ひざより下の脚のしびれや痛みが出て歩きづらくなる状態のことを指します。加齢による腰椎や背骨の組織の変形が原因だとされており、70才を超えると患者数が一気に急増します。

 ロキソプロフェンやジクロフェナクナトリウムなどNSAIDsの、のみ薬や貼り薬、塗り薬を使っている人も多いですが、高齢者には腎機能が低下している人が多く、特にのみ薬は安易に使うと腎臓への大きな負担となる。夏場の脱水が起きやすい季節は、腎臓への血流が減少し腎機能が低下するため、危険度が増します」(松平さん・以下同)

 問題なのは、腎機能低下のリスクを伴ううえ、鎮痛剤が根本的な解決にならないこと。

「痛みそのものはわずかな時間取り除かれますが、体に変化があるわけではないため、再発の予防にはつながりません。一方で脊柱管狭窄症は、血流の改善によって一時的ながら症状が改善するため、運動やストレッチには効果がある。椅子に座って前屈みのポーズを取るだけでも狭窄を和らげることができますし、寝転がってできる『ひざ抱えストレッチ』も脊柱管を広げて神経の血流をよくしてくれます。こうして症状が和らいだ状態で体幹を鍛える運動を取り入れれば、再発予防の“貯金”ともいえる余裕ができる。試してみてほしい」

関連キーワード

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン