国内

2022参院選 意識か無意識か各候補者に通底する「多様性」というテーマ

演説中に、乙武さん(左)ペットボトルの水を飲ませてあげるひろゆきさん(右)(撮影:小川裕夫)

演説中に、乙武さん(左)ペットボトルの水を飲ませてあげるひろゆきさん(右)(撮影:小川裕夫)

 急激な物価高やロシアのウクライナ侵攻により不安定化する安全保障、今後も続く見込みの新型コロナウイルス感染対策など、7月10日に投開票日を迎える参議院選挙で挙げられている課題は複数ある。今回は全体を多様性というテーマが通底しているのではないかとみるライターの小川裕夫氏が、各党の活動から見えてきた多様性への対峙についてレポートする。

 * * *
 参院選の公示日となる6月22日が迫り、公示前最後の週末になった6月18日、19日は各陣営が支持を拡大させるための活動を本格化させていた。

 東京選挙区から無所属で立候補した乙武洋匡さんは、2ちゃんねるの創設者でインフルエンサーとしても高い人気を誇るひろゆきこと西村博之さんをゲストに招き、渋谷駅前で街頭演説を実施。土曜日の渋谷駅前という状況やひろゆき人気もあり、乙武さんの演説にはたくさんのギャラリーが集まった。

 筆者も渋谷駅に足を運び街頭演説に耳を傾けた一人だが、そこでは通常の街頭演説で見ることができない光景を目撃した。

 一般的に、選挙の街頭演説では候補者本人や応援弁士がマイクを握って支持を訴える。乙武さんはマイクを握ることはできなので、ヘッドフォンスピーカーを替わりに使う。そのヘッドフォンスピーカーは本来なら乙武選対のスタッフが手助けをして装着する。しかし、このときは応援弁士のひろゆきさんが装着を手伝っていた。それだけでも異例な光景だったが、約2時間にわたった演説では途中にひろゆきさんが乙武さんに水を飲ませるという、”介助”をする場面もあった。

 なにげない光景ではあるが、四肢欠損というハンデがある乙武さんはペットボトルを手に取って自力で水を飲むことすらできない。そんなハンデがあっても、乙武さんは参院選に挑戦している。

 そう書くと、乙武さんだけが孤高の挑戦をしているように受け取れるかもしれない。しかし、今回の参院選は多くのマイノリティが名乗りをあげて、国政に挑戦している。

 私たちは、どんなに政治に無関心でも政治と無縁で生きることはできない。昨今、物価高によってコンビニで買う弁当やパンも高くなり、生活を圧迫する。物価上昇に対して負担が大きく生きづらいと感じるのは、長らく日本経済が停滞し、労働者の賃金が上がってこなかったことが大きな原因だ。これがすべてではないものの、賃金が上がらなかった要因は政治によるところが大きい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

屋根工事の足場。普通に生活していると屋根の上は直接、見られない。リフォーム詐欺にとっても狙いめ(写真提供/イメージマート)
《摘発相次ぐリフォーム詐欺》「おたくの屋根、危険ですよ」 作業着姿の男がしつこく屋根のリフォームをすすめたが玄関で住人に会ったとたんに帰った理由
NEWSポストセブン
人が多く行き交うターミナル駅とその周辺は「ぶつかり男」が出現する(写真提供/イメージマート)
《生態に意外な変化》混雑した駅などに出没する「ぶつかり男」が減少? インバウンドの女性客にぶつかるも逆に詰め寄られ、あわあわしながら去っていく目撃談も
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン
大の里、大谷
来場所綱取りの大関・大の里は「角界の大谷翔平」か やくみつる氏が説く「共通点は慎重で卒がないインタビュー。面白くないが、それでいい」
NEWSポストセブン
悠仁さまの通学手段はどうなるのか(時事通信フォト)
《悠仁さまが筑波大学に入学》宮内庁が購入予定の新公用車について「悠仁親王殿下の御用に供するためのものではありません」と全否定する事情
週刊ポスト
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・Instagramより 写真は当該の店舗ではありません)
味噌汁混入のネズミは「加熱されていない」とすき家が発表 カタラーゼ検査で調査 「ネズミは熱に敏感」とも説明
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロ2人が並んで映ったポスターで関係者ザワザワ…「気が気じゃない」事態に
NEWSポストセブン
CM界でも特大ホームラン連発の大谷翔平
【CM界でも圧倒的な存在感の大谷翔平】「愛妻家」のイメージで安定感もアップ、家庭用品やベビー用品のCM出演にも期待
女性セブン
堀田陸容疑者(写真提供/うさぎ写真家uta)
《ウサギの島・虐殺公判》口に約7cmのハサミを挿入、「ポキ」と骨が折れる音も…25歳・虐待男のスマホに残っていた「残忍すぎる動画の中身」
NEWSポストセブン
船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン
昨年不倫問題が報じられた柏原明日架(時事通信フォト)
【トリプルボギー不倫だけじゃない】不倫騒動相次ぐ女子ゴルフ 接点は「プロアマ」、ランキング下位選手にとってはスポンサーに自分を売り込む貴重な機会の側面も
週刊ポスト
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん
《ドバイの路上で脊椎が折れて血まみれで…》行方不明のウクライナ美女インフルエンサー(20)が発見、“危なすぎる人身売買パーティー”に参加か
NEWSポストセブン