◆「なぜ親離れ、子離れしなくてはならないの?」
それから、これも驚いたのですが、私と同世代の女性にもかかわらず、親から頻繁に電話がかかってくるということ。それも2日に1回という頻度で、内容は「元気なの? お金は大丈夫?」などのまるで大学生の子供にかけているような内容なんです。その彼女曰く、「普通の親子関係なら、何もなくても暇さえあれば電話をかけて話す」という。
大学生ならまだしも、アラフォーの女性と60代や70代の母親が頻繁に電話していることに私は驚き、子離れ、親離れができていない関係に映りました。そのことを彼女に説明すると、逆に驚いてこう言い返されました。
「なぜ子離れ、親離れしなくてはならないの? ずっと親子は親子じゃない」
この家族の在り方については、日本と大きく違うと感じています。私は東京で生まれ育ったので、日本の感覚のほうがしっくりきます。が、もしトルコで生まれ育ったら、日本の家族の在り方は、むしろ「他人行儀」のように感じてしまうのかもしれません。「親しき中にも礼儀あり」や「友達親子」という言葉があるように、親子の距離感は気をつけなくてはならないという意識が日本にはあります。親離れ、子離れができていないと恥ずかしいし、それが強要されさえします。
本来、親子関係なんて、それぞれでいいはずなのに、「こうでないといけない」「この関係はまずい」などと、ありもしないルールに縛られているような気もします。
トルコの親子事情を垣間見て、私も親との関係を今一度見直してみようと思いました。
【プロフィール】NATACO/1983年東京都生まれ。食に造詣の深い祖父と父の影響もあり食の世界へ。現在、グルメメディアの公認料理家、フードブランドプロデューサー、企業向けレシピ提供など、枠にとらわれない食のフィールドで活動中。コロナ渦の中、自宅でひろゆき、中田敦彦、メンタリストDaiGoらのYouTubeを見て、「やりたいことは実現ができる」と影響を受ける。2021年から生活の拠点をトルコのイズミルに移し、現在“トルコ生活”2年目に突入。