◆「こうじゃないと生きられない」は窮屈だ
もちろん日本の「配慮の文化」は世界に誇れるものですし、素晴らしいものですが、それがいき過ぎてしまうと窮屈になるような気がしています。少なくとも街中に「注意」を促す看板ばかりなのは、トルコの生活に慣れると違和感を覚えます。
日本とトルコ、両方に便利、不便があるのは事実。ただし、「豊かに生きる」という点では、この地中海に面した国のより多くの人が、その生き方を実践しているように感じました。
トルコに来て、これまで私の生活の中にあった便利なのが当たり前という「デフォルト設定」が無効になった気がします。そのおかげで、私は「自分がどんな生活、ライフスタイルを求めているのか」に向き合えたし、生き方の選択肢が生まれたような気がしています。これは、全てがそろっていることが当たり前だった日本の生活にはない状況です。「豊かに生きる」とは、ライフスタイルに幅広い選択肢がある状況のことではないでしょうか。少なくとも、「こうじゃないと生きられない」という考えの人が多い日本は、かなり窮屈な社会だと今は感じています。
「あってもいいし、なくてもいい」、「してもいいし、しなくてもいい」何事もそんな考えでいられれば、もっと生きやすくなるのではないでしょうか。日本での生活が窮屈だと感じる人は一度、トルコに来てみてください。新しい発見があるかもしれませんよ。
【プロフィール】NATACO/1983年東京都生まれ。食に造詣の深い祖父と父の影響もあり食の世界へ。現在、グルメメディアの公認料理家、フードブランドプロデューサー、企業向けレシピ提供など、枠にとらわれない食のフィールドで活動中。コロナ渦の中、自宅でひろゆき、中田敦彦、メンタリストDaiGoらのYouTubeを見て、「やりたいことは実現ができる」と影響を受ける。2021年から生活の拠点をトルコのイズミルに移し、現在“トルコ生活”2年目に突入。