もはや聞き慣れた地球温暖化だが、具体的に何なのか。
「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)という国際機関の報告書では、地球温暖化の原因は人為的な二酸化炭素(CO2)の排出であると名指しされています。特に産業革命以降、気温が急上昇しているという事実があり、工業化が進んだことが原因だろうと推測されているのです。地球の大気をシミュレーションするシステムでも、二酸化炭素を増やすと気温が上がるという実験結果が出て、この説を裏付けています」
二酸化炭素が出ると、なぜ温暖化が進むのか。
「地球上には太陽からの光が降り注ぎ、地球は宇宙にエネルギーを放出している。ところが、そのまま熱が出ていってしまっては温度が低すぎて、生物が暮らせない。大気中に水蒸気や二酸化炭素、メタンガスなどの『温室効果ガス』と呼ばれるガスがあることにより、大気中に熱を蓄積できる。温室効果ガスが保温することで人間が暮らしやすい温度を保っているのです」
本来は、ありがたい存在であるはずの温室効果ガス。しかし、二酸化炭素の排出量が増えすぎると温室効果が高まって地球の気温が上昇する。それが温暖化につながるのだ。温室効果ガスの中にはいくつかの種類があるが、温室効果が最も高いのは水蒸気だ。ただし、水蒸気は雨になって落ちたり、海に流れたり、蒸発したりと一定の量ではなく、人間がコントロールするのは不可能といえる。
一方、二酸化炭素は産業革命から人間が大量に排出しているもので、ある程度量をコントロールするのは可能だ。
「温暖化を進める引き金になっている温室効果ガスには、二酸化炭素だけではなく、下水や湿地から出るほか、家畜化した大量の牛のゲップなどにも含まれるメタンガスも挙げられています。いろいろなことが玉突き式に起きて、影響し合っているのが温暖化なのです」
※女性セブン2022年9月1日号