前田家の菩提寺は曹洞宗の寺院。さらに複雑な事態を招いたのが浄土真宗系の僧侶が戒名をつけたことだった。
「樹里さんが母の野際さんの知人に頼んで、宗派に関係なくつけてもらった戒名だったといいます。千葉さんは日蓮正宗でも戒名を授かっているため、戒名が2つあるんです。実家で住職がお経を読む間、日蓮正宗の本尊がまつられた仏壇の扉は閉じられていたそうです」(前出・千葉家の知人)
千葉さんはコロナで突然死のように亡くなってしまったため、正式な遺言書が残されていないことも混乱に拍車をかけた。
「樹里さんは、後援者たちが自分を飛び越えて戒名や墓の話を進めていたことに不信感を抱き、弟たちに遺骨を渡そうとしませんでした。もっとも、野際さんは亡くなる前、『うちには(千葉さんを)1ミリも入れない』と言っていたそうですから、野際家に遺骨を置くことは故人の思いに反すると思うのですが……。樹里さんは周囲に『お母さんにはがまんしてもらう』と話していたといいます」(別の千葉家の知人)
千葉さんと野際さんは22年間の結婚生活を経て1994年に離婚。ふたりで会見に臨み“円満離婚”を強調したが、その裏で晩年の野際さんは千葉さんを突き放すように言うことがあり、きょうだい間に確執が生じる遠因にもなった。いまだに雪解けの糸口さえ見えないことに千葉さん、そして野際さんも草葉の陰で困惑しているのではないか。近く日蓮正宗の寺院に千葉さんの碑が建立される予定だという。
※女性セブン2022年9月8日号