阪神タイガースでチーム最年長となる糸井嘉男(41)に、今季限りで引退の可能性が出てきた。9月5日スポーツ紙が進退について糸井が近日中に球団と話し合いを持つと一斉に報じた。同日に糸井は自身のツイッターに〈紙面にぎわせてしまい… しっかり話し また、ご報告させてください〉と投稿。その動向が注目されているが、どういった結論に至るかは「来季の阪神」がどうなるかにもつながってくるという。
阪神担当記者は「糸井の処遇がどうなるかで、阪神の新監督を巡る動向が、おぼろげながら見えてくるはずだ」と話す。
「今回の話し合いは現役続行を希望している糸井から話し合いを求めたものだという。糸井は阪神でのプレーを望んでいるが、新監督の構想から外れて戦力外となるようであれば、早急に移籍先を求めて動きたいということのようだ。阪神はCS(クライマックスシリーズ)進出確定までは新監督を巡る情報は極秘扱い。球団の動きがまったく見えてこない。そうした状況のなかで、糸井もこのままでは手遅れになると考えたようだ」(阪神担当記者)
今年のキャンプイン前日というタイミングで、ナインを前に「今季限りで退任する」と発表した矢野燿大監督(53)。この異例ともいえる発言の影響もあってか、チームは開幕からいきなり9連敗。借金が最大16あったが、6月に14勝8敗1分、7月に14勝6敗の成績を残し、オールスター戦直前に借金を完済。16試合を残してCS進出の可能性がある3位につけている。阪神OBはこう話す。
「3位からの下克上で日本一になっても、矢野監督の退任は決まっている。新監督の意向でチーム編成をすることになるが、野手を中心に大幅に入れ替える可能性が高い。阪神球団サイドは矢野野球を継承したいと表明しているものの、新監督との間で真っ先に処遇が話し合われるのはチーム最高齢の糸井になるでしょう」
新監督候補としては元監督の岡田彰布氏、二軍監督の平田勝男氏、元中日監督の落合博満氏などの名前が挙がっている。
「もちろん、球団も糸井のことは功労者として評価しており、平田二軍監督が監督に内部昇格する場合は糸井の現役続行、あるいはコーチ兼任での残留の可能性もある。しかし、糸井とまったく接点がない岡田氏になればスパッと切り捨てるだろう(糸井が日本ハムからオリックスにトレードで移籍したのは、岡田氏がオリックスの監督を退任した直後の2013年)。可能性は低いが落合氏の招聘となれば、糸井だけでなく生え抜きのベテランでも容赦しないだろう」(前出・阪神OB)