国内

吉村洋文知事の支持層切り崩しへ 来年4月統一地方選でカジノ反対派が狙う「横浜市長選の再現」

カジノ反対の意見(時事通信フォト)

カジノに反対する府民に知事はどう対応するか(時事通信フォト)

 大阪府市が進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)の賛否を問う声が地元・大阪で高まるなか、来年4月の統一地方選挙で行なわれる大阪府知事選と大阪市長選に向けた動きが加速している。

 元府副知事や大阪市議らでつくる市民団体「NO!大阪・IRカジノ」は9月8日、国交省にIR整備計画を認定しないよう要望書を提出。外国特派員協会で記者会見したメンバーは「経済効果に疑問があり、地域の合意形成も十分とはいえない。カジノは知事・市長選の争点」と訴え、吉村洋文・大阪府知事に対抗する候補者擁立にも意欲を見せた。

 大阪IRは、吉村知事が2025年に開催される大阪・関西万博の会場となる人工島・夢洲を利用する整備計画を策定し、現在国で審査が行なわれている。計画では米カジノ大手MGMとオリックスをIR設置・運営事業の主体とし、2029年の開業を予定する。大阪IRを巡っては、建設予定地で土壌汚染や液状化リスクが判明し、大阪市が事業者の要望に応じて土壌対策費を負担するのは違法として市民らが大阪地裁に提訴したほか、約21万筆の署名を集めて吉村知事に住民投票の実施を求めた別の市民団体もすでに認定しないよう求める請願書を国に提出している。

「NO!大阪・IRカジノ」のメンバーの1人で前・堺市議の野村友昭氏が語る。

「年間の売上(粗利益)は4900億円を見込んでいるが、これはMGMが擁する世界27施設合計での売上1兆円の半分にあたり、1施設での売上としてはむちゃな数字と言えます。松井(一郎・大阪)市長が公金は使わないと公言した整備費も土壌対策などで790億円かかる。

 そもそも外国人富裕層を呼び込む計画だったのが、コロナ禍を経て日本人客が7割というものに変わり、ギャンブル依存症や治安悪化が懸念される。ギャンブルに抵抗のある府民は多く、カジノは来年4月の統一地方選における知事・市長選の争点になる。狙うのは先の横浜市長選のパターンです」

 昨年8月の横浜市長選では、立憲民主が推薦した山中竹春氏がIR誘致反対の野党統一候補として反対派や無党派層を取り込み、IRの旗振り役の菅義偉・首相(当時)の支援を受けた候補やIR推進の現職市長を破って当選した。

 大阪では大阪維新の会が府議会の過半数を占め、吉村知事の人気を追い風に衆院・参院の国政選挙でも圧勝する「与党」で、来年の統一地方選挙も盤石とみられている。

関連記事

トピックス

SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
漫画家・柳井嵩の母親・登美子役を演じる松嶋菜々子/(C)NHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合) 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
松嶋菜々子、朝ドラ『あんぱん』の母親役に高いモチベーション 脚本は出世作『やまとなでしこ』の中園ミホ氏“闇を感じさせる役”は真骨頂
週刊ポスト
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン