2つ目は、営業面ではマイナスだからだ。個人のグッズが売れれば、その選手にも売り上げの何割かのロイヤリティーが入る契約が一般的。西川のようにイケメンで女性人気が高いと、結婚を機に売り上げが下がってしまう。その上、前出のスポーツ紙記者は「単純な個人収入の点だけではなく、所属球団は人気の有無で契約延長を決めている。日本ハムが、実績はほとんど残せなかった斎藤佑樹(34才)を、本人が引退を決意するまで囲い続けたのも、少なからずそんな背景があったと言われている」と説明した。
3つ目は、危険回避の観点だ。最近では、源田選手の妻が、まさかの同僚選手の妻からSNSで誹謗中傷を受けていた事件が発覚したが、「ネットで何でも調べられてアクセスできる時代になり、今まで以上に有名人の身の危険度が高まってきた。仕事柄、自宅を空ける日も多いだけに、妻や子供を守るためにも公開しない選手も確かにいます」(某球団スタッフ)のだ。
実は、今も成績がパッとしない某若手選手が「結婚の事実を知られると、本業に身が入っていないと、もっと批判されてしまう」と、球団に非公表のままにしてもらっているという。
「その選手は、高校時代に甲子園を沸かし、ドラフト1位でパ・リーグの球団に入ったものの鳴かず飛ばず。現在20代中盤ですが、野球外のことでばかりで話題を振りまいてしまい、本業では結果を残していません。だから結婚していることを公表しづらいというのです。やはりファンの声が選手のメンタルに多少なりとも影響しますので、できるだけネガティブな声が入りそうなニュースは避ける、という球団側の配慮もあるようです」(前出・某球団スタッフ)
そして最後の1つは、結婚発表によって、ほかの火遊びの事実が沸くことを懸念しているからだ。ある首都圏の球団関係者は、「かつてよりも知名度が下がったとはいえ、プロ野球選手はめちゃくちゃモテます。きれいに過去の関係を清算してからゴールインすれば良いものを、中途半端なケースも少なくないようです。自分以外の女性との結婚を知った相手が、逆恨みして過去の関係を暴露するリスクもある。そこを危惧して現役引退までは発表しない、という選手もいるんです」と苦笑いする。
引退まで隠し通すことは難しくても、様々な理由から積極的には公表しない。それがスタンダードになりつつあるようだ。もう、昭和のように人気プロ野球選手の金屏風の前での結婚会見や豪華披露宴が、テレビで生中継されるようなことは、なかなか無さそうだ。