患部に痛みがある場合、治るまで動かさずに固定すべきというのも、過去の常識だ。健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子さんが言う。
「特に筋肉は動かさないと固まって衰え、歩けなくなるリスクも出てきます。無理して動かす必要はありませんが、筋肉の緊張をほぐし、心地よいと感じるストレッチを行って血流を改善することが大切です」(望月さん)
医師が処方する薬の中にも、時代遅れのものが紛れている可能性がある。
「抗生物質を多用すると耐性菌ができると以前からいわれていますが、いまだに処方する医師がいる。しかも、最近の研究では抗生物質は腸内環境にも悪影響を及ぼすことも明らかになった。なるべく服用しないことが最適解です」(上さん・以下同)
現代医学において多用が推奨されないのは胃薬も同様。
「これまで胃の不調は胃薬で胃酸を抑えて対処することが多かったのですが、効果が一時的であることに加えて、特に高齢者は誤嚥性肺炎を起こす副作用が報告されています。
また、かつて胃潰瘍の原因はストレスだといわれたものの、近年の研究では両者にはあまり相関関係がないことが明らかになっています。原因のほとんどはピロリ菌。検査して除去すれば胃薬に頼らず治せる時代です」
薬の効能の是非は膨大な調査やデータによって刻一刻と変化しており、フランスでは認知症の薬が「効果不充分」として保険適用から外れた。
「医学関連の情報は、最新の研究や調査によって日々アップデートされていきます。できるだけ最新の正しい情報を得て、自分の力で総合的に理解することが肝要です。そのために疑問点をかかりつけ医など信頼できる医療関係者に尋ねたり、CNNなどの海外メディアを見て積極的に情報収集したりすることを推奨します」
健康知識のアップデートの努力を惜しんではいけない。
※女性セブン2022年10月13日号