日本人にとっては、接種のデメリットが上回ったことすら考えられる。
「欧米人と日本人は体格や薬の代謝能力が異なり、同じ薬をのんでも思わぬ副作用が生じることがあります。それゆえ欧米で承認された薬でも安全性の担保のため、国内でも厳密に臨床試験を行う必要があります。
しかしコロナワクチンは緊急事態を理由に簡単な試験のみで特例承認されました。過去には最終の臨床試験を省略した抗がん剤で重篤な副作用が頻発し、800人以上が亡くなった事例もあります。コロナワクチンも、日本に先駆けて接種を開始したイスラエルで、早くから若い男性での心筋炎の多発が報告されており、安易な接種は慎むべきでした」(鳥集さん)
実際、現場の医師からはコロナワクチンが日本人の体質に合っていないことを懸念する声が上がった。
「モデルナ社製のワクチン接種後に38℃以上の熱が出たアメリカ人は38%に留まった一方、日本人は約62%が38℃以上の発熱を訴えました。一般的に体格や遺伝子の差があるゆえ、日本人は欧米人よりも薬が効きやすく副作用も出やすいと考えられていますが、コロナワクチンも同様で、欧米人と同量を接種するのは多すぎたのではないかと考えられます」(岡田さん)
アメリカ留学の医師のグループ
死亡率が低いうえ、ワクチン接種に伴うリスクが大きなことが明らかである状況下にもかかわらず、なぜアメリカの対策に“右へ倣え”する必要があったのか。理由の1つは、医療界に蔓延する「アメリカ追従」の空気がある。大学病院に勤務する感染症専門医はこう指摘する。
「感染症専門医の中には根強い“アメリカ信仰”を持っている人が少なくない。アメリカへの留学経験がある専門医たちが、日本の感染症診療のなかで有力グループを作っており、彼らは『アメリカと比較して日本のワクチン事業は遅れている』と批判的に論じている。『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』などアメリカの権威ある医学誌に掲載されたワクチンの高い効能を喧伝する論文を盾に、日本国内でも接種を推進しています。
新型コロナによる日本の被害状況を踏まえないうえ、論文では見えてこないワクチン接種に伴うリスクは考えずに、ただただアメリカのCDC(疾病予防管理センター)の推奨に従っている。“ワクチン神話”を旗印に連帯し、ワクチンに対して否定的な意見を排除する風潮を作り上げています」
接種推進派は「海外の医学誌」を金科玉条のごとく尊ぶが、そこには落とし穴がある。