事務所の人が持ち逃げ。音楽がやれればお金にはこだわらない

アマチュアバンド時代の月収はバイトで10万円ほど(写真/横田紋子)

アマチュアバンド時代の月収はバイトで10万円ほど(写真/横田紋子)

──事務所の人が売り上げを持ち逃げをしたことがあったと聞きますが……。

「僕らは契約が終了した2年後には、自分たちで独立して会社を作りました。それで逃げられて良かった。本当はたまに入るべきお金がほかのところに回っていたという話は聞きましたね(笑)。社長はすげえかっこいい外車に乗りはじめたし、ほかのバンドからは『たまの儲けで給料を貰っているんだよ』って言われました」

──あれだけヒットしたのに、もっとお金が欲しいとか思いませんでしたか?

「僕はそれまで貧乏生活だったから、ある程度以上の大金はもうよくわからなかった。これぐらい貰えたら、もういいよって言っていましたね」

──『しくじり先生 俺みたいになるな!!』から、出演をオファーされて断ったとtwitterで発言されて話題になっていましたが……。

「番組に声かけられたのはもっと前です。3年前ですね。オファーがあってすぐツイートしたら悪いと思ったから(笑)。一回売れたら、二回目、三回目と売れ続けるのが良いっていう感覚なんでしょうね。僕らにとってはむしろ自分の納得のいく作品を出すことや、パフォーマンスをすることが最重要で、それでお客さんが減ったりしても、僕たちを見てくれる人がいる限りはやりたいと思っていた」

──人気絶頂期よりも、今の方が活動しやすいと感じたりされますか?

「たまは、万人受けするというよりは、ある特殊な好みを持った人から好かれるんですよ(笑)。いつの時代にもかかわらず、そういうタイプって必ずいるんです。だから、『イカ天』の頃には生まれてなかった若い子たちも、今でもライブを見に来てくれたりしています」

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