ライフ

都道府県魅力度ランキングで初最下位記録の佐賀県民が感じている「本当のライバル」

アジアで最大級の熱気球競技大会「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」。2022年11月4日から3年ぶりの有観客で行われる。写真は2019年(時事通信フォト)

アジアで最大級の熱気球競技大会「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」。2022年11月4日から3年ぶりの有観客で行われる。写真は2019年(時事通信フォト)

 毎年、発表されると話題になる「都道府県魅力度ランキング」(ブランド総合研究所)だが、14年連続の1位を記録した北海道、2位に京都府、3位に沖縄県という上位よりも、近年は最下位争いのほうが大きな注目を集めがちだ。ところが、2022年は佐賀県が初めて最下位となったのだが、逆手にとって小冊子「魅力度最下位の過ごし方」を発行した茨城県や、そのライバルと目されている栃木県や群馬県が最下位だったこれまでに比べて、なんとなく盛り上がりに欠けているように感じるのは気のせいか。ライターの宮添優氏が、佐賀県民の本音を聞いた。

 * * *
 最近では、発表される度に何かと騒々しくなった「都道府県魅力度ランキング」だが、その最新版が発表され、九州の佐賀県が”初めて”最下位になったという。2009年に始まったという同ランキングで、栃木、群馬、茨城の北関東三県以外が最下位を取ったのも初……らしい。

 また同じく、最近では「最下位」の汚名を着せられても、自治体が半ば開き直ったように、逆に自虐的なブランディングに使おうという動きもおなじみの傾向である。当然、佐賀県もそうするだろうと思われ、なんといっても佐賀県は自虐PRの元祖。佐賀出身の芸人・はなわによる「佐賀県」なるコミックソングは大ヒットし、佐賀県=はなわのイメージは、今なお根強い。

 次はどんな自虐があるのか、そう思った筆者は佐賀県内の中心部、北部、西部で聞き取りを行ったが、地元佐賀県人から聞かれたのは、意外な答えであった。

「佐賀が最下位? そらそうですよ。去年? どうせ佐賀が最下位でしょうもん?」

 佐賀が最下位になったことを告げた瞬間、間髪おかずにこう返してきたのは、佐賀市中心部で居酒屋を営む一ノ瀬晃さん(仮名・50代)。そもそも「魅力度ランキング」の存在についてあまり知らない様子だったが、一ノ瀬さんは「何でもかんでも、佐賀がビリ」と言ってはばからないし、周囲にいた地元客らも「どうせ佐賀が最下位」とグラス片手に頷く。みな酒に酔っていても、怒りや失望を覚える様子は感じられない。

「東北やら山陰やら、田舎のイメージで語られるところはたくさんありますけど、九州の田舎っぷりは語られることすらない。九州内では、佐賀のライバルは宮崎でしょう。しかしあっち(宮崎)は土地も広いし、リゾート地としても有名やし…。九州でビリなら、全国的に言ってもビリで間違いはなかでしょう」(一ノ瀬さん)

 もはや自虐とは違う諦観にも感じられたが、この傾向は県内の別のエリアでも同様だった。北部在住の会社員・黒木勇一さん(仮名・40代)は、住まいは県内だが勤務先は福岡市内。仕事柄、全国を飛び回り、方々で「田舎」といわれる場所を自分の目で見てきたと言うが……。

関連記事

トピックス

モテ男だった火野正平さん(時事通信フォト)
【火野正平さん逝去】4年前「不倫の作法」を尋ねた記者に「それ俺に聞くの!?」 その場にいた娘たちは爆笑した
週刊ポスト
「●」について語った渡邊渚アナ
【大好評エッセイ連載第2回】元フジテレビ渡邊渚アナが明かす「恋も宇宙も一緒だな~と思ったりした出来事」
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さま(時事通信フォト)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
「SUNTORYドリンクスマイルBAR」
《忘年会シーズンにこそ適正飲酒を》サントリーの新たな取り組み 自分に合った “飲み“の楽しさの発見につながる「ドリンク スマイル」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン