元プロ野球選手の「大魔神」こと佐々木主浩(54)が悲願のダービーオーナーへ向けて、試金石となるレースに挑む。11月26日に阪神競馬場で行われる京都2歳ステークスに所有するグランヴィノスを出走させる予定だが、関係者の間ではこの馬が「ダービーを獲れるのでは」と前評判が非常に高いのだ。スポーツ紙の競馬担当記者はこう話す。
「グランヴィノスはヴィルシーナ、シュヴァルグラン、ヴィブロスといったG1馬を輩出している血統の馬で、10月に行われた新馬戦を1番人気で快勝し、評価が上がっています。佐々木氏は新馬戦後のコメントで『(今後は)友道先生にお任せしたい』と言っていましたが、管理する友道康夫調教師は2016年にマカヒキ、2018年にワグネリアン、そして今年ドウデュースでダービーを勝っていますので、順調に勝ち進めばダービー制覇も決して夢ではありません」
ダービーオーナーといえば馬主ならだれもが憧れる称号だ。競馬発祥の地、イギリスに倣って創設された日本ダービー(東京優駿)は「競馬の祭典」とも言われ、3歳時にしか出走できないことから、世代間最強を決めるレースでもある。海外を含むG1レースで5勝を挙げている佐々木の所有馬だが、ダービーには縁がなく、2020年にヴァルコスで初めて挑むも14着に敗れていている。これまで著名人の所有馬がダービーを勝ったことはなく、歌手の北島三郎が2015年にキタサンブラックで挑んだダービーは14着だった。キタサンブラックは後にG1を7勝し、年度代表馬に輝いたことがある名馬でもある。競馬にまつわる格言では「ダービーは最も運の良い馬が勝つ」とも言われており、単純に強いだけでは勝てないレースなのだ。