──息子さんが先生ですよね。
MEGUMI:そうなんですよ。ここは一歩下がって、教えてもらうしかない。自分が年上で親でも正しくないんだっていうことは、自分に課しています。向こうのほうが達観していることだってある。それを忘れないようにしなきゃダメだなあと。もちろん「早く寝なさいよ!」とか、当たり前のことは怒りますよ。
──母、妻、女性であること、仕事人であることのバランス感は難しくはないでしょうか?
MEGUMI:仕事と母ですよね。立場が多いぶん、気をつけないと、あっという間に詰むことになってしまうのかなと。そこの選択は間違えないように慎重でありたいと思っています。
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バラエティ番組でよく見かける声色とはまるで真逆に、淡々と、随所に本音を散らつかせながら質問に答えてくれるMEGUMIさん。今日、私は女優さんにドラマの話を聞きにきたはずだ。ただ気がつくと、非常に優秀な広報部の方と話しているような錯覚に包まれていた。【第2回へ続く】
【プロフィール】
MEGUMI(めぐみ)/1981年9月25日生まれ。岡山県出身倉敷市出身。第62回ブルーリボン賞助演女優賞受賞(2020年)。2016年には石川県の金沢に「Cafeたもん」をオープン。また、企画・プロデュースも行い、現在、手掛けたドラマ『完全に詰んだイチ子はもうカリスマになるしかないの』(テレビ東京ほか)が放送中。
(取材・文/小林久乃)