コロナ禍での生活リズムの変化やストレスで不眠に悩む人も増え、近年の“睡眠ブーム”に拍車をかけている。睡眠の質を高める機能を打ち出し大ヒットした「Yakult 1000」のように、睡眠の質向上を図る機能性枕の人気も高まっている。そばがら枕愛用歴20年の役者、野仲イサオさんが、“自分史上最高の枕”を手に入れるため最先端の枕専門店を訪ねた。
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に官人・二階堂行政役で出演中の野仲イサオさん(63)は、スマートフォンの睡眠アプリを毎晩使って睡眠の深さを記録・分析するほど眠りに関心を持つ。今回、自分史上最高の枕を探すため、首のカーブに合わせて枕の高さを選ぶコンサルティング販売を1996年に日本で初めて開始した老舗寝具会社ロフテーの直営店「ロフテー枕工房 本店」(東京)を訪れた。
快眠枕(1万7600円~)は、頸部支持構造の快眠枕からストレートネック対応の極低め枕、肩ストレッチ枕など多岐にわたる。
最初に同社の枕の専門資格を持つピローフィッターが睡眠環境や寝姿勢、体調、好みの感触をヒアリング。今回担当の藤田友里子さんが理想の寝姿を説明する。
「体に最も負担が少ない姿勢は、リラックスして立った時のあごを少し引いた状態です。この時の顔の角度は約5度。寝た時も同じような状態をキープできるように敷き寝具と首・頭の後ろにできる隙間を埋めるのが枕の役割です。理想の状態を保つには枕の高さが一番重要です」
仕事の日もオフの日も毎晩8時に就寝し、翌2時~3時に起床する生活を続けている野仲さん。そばがらの枕を約20年間使っており、寝つきはいいという。
「ただ、歳をとるにつれ、睡眠時間が短くなっているのが気になっています。睡眠アプリが計測する熟睡度(快眠度)は悪い時で40%、良い時で70%。平均で50~60%ですね。元々、鼻炎もあり、無意識だと口呼吸をしているみたいです」
野仲さんの話を聞き、「枕が低めなのかもしれませんね」と藤田さんが答える。次に頸椎弧の深さを測定する。この深さや体型、寝方などを元に、約20種類の枕からピローフィッターがその人に合った候補をいくつか選び、ベッドの上でフィッティングする。
「これ、ちょうどいいですね! 無理がなく楽です」
横向き・寝返りも楽にできる高さと形状が決まり、最後に数種類の素材の感触を試し、心地よい好みの素材を選んで完了。野仲さんが枕のコンサルティングを受けた感想を語る。
「長年慣れ親しんだ枕に勝てるものがあるのかなと思っていましたが(笑)、枕とマットが一体化したような感覚に驚きました。この枕で寝るのが楽しみです」