“記入ミス”との説明だ。政治資金を監視してきた上脇博之・神戸学院大学法学部教授が指摘する。
「事務担当者が交代して書き忘れたとの説明だが、政治資金収支報告書を見ると、令和2年(2020年)の事務責任者は令和元年(2019年)にも支部の会計責任者を務めていた人物です。6000万円もの借入金があることを把握していて然るべきで、多額の借金を忘れるということは不自然。この件を政治資金規正法に照らすと、25条に、提出すべき書面に記載すべき事項の記載をしなかった者(不記載)は5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金に処するとあり、これに該当する可能性があります」
岸田首相は、現在、大増税に向けて動き出している。果たして、6000万円もの借入金を書き漏らすような金銭感覚の政治家が総理補佐官を務める政権が、国民に増税を納得させることなどできるのだろうか。
※週刊ポスト2023年1月1・6日号