ライフ

Twitter閲覧数可視化で有名アカウントが沈黙や消去 E・マスク氏の改革をどう見るべきか

イーロン・マスクがTwitter買収を決めたのは、自分のアカウントが凍結されたことがきっかけだったと言われている(AFP=時事)

実業家イーロン・マスクがTwitter買収を決めたのは、自分のアカウントが凍結されたことがきっかけだったと言われている(AFP=時事)

 2022年のクリスマス直前、Twitter社はすべてのツイートの閲覧数(インプレッション数)を表示する新機能「View Count」を発表し、日本のユーザーにも実装された。しかしその前後から一部の「自称」インフルエンサーが消える、過去の発信をすべて非表示にする、ツイートしなくなるなど、不自然なSNSしぐさを見せるアカウントが散見された。俳人で著作家の日野百草氏が、閲覧数の可視化がユーザーにもたらすものについてレポートする。

 * * *
「Twitterがあと出しでインプレッションまる出しにするなんて驚きました。もちろんバレたでしょうね。フォロワー万超えなのに全然読まれてないって」

 そう苦笑いするのは都内でWEBプロダクション事業を営む50代経営者、中小企業のホームページ作成や修正保守、SEO対策など手掛けているが、自社でいわゆる「キュレーションサイト」も手掛けている。そのサイトへの誘引に活用しているのがTwitter、実際には存在しない自称インフルエンサーの女性アカウントや「イケメン」イラストの男性プロフィール画像のアカウントなどを駆使してきたが、インプレッション数が見られるようになったのを機に、しばらく一部のアカウントは休止にしたと話す。

 なぜなら、その万を超えるフォロワーの大半は買ったもの、つまり自称どころか自作自演のインフルエンサーだったからだ。

「インプレッション数が数百とか、バレバレで恥ずかしいし、そうなったら意味ないですからね、他のアカウントも対策できるまで様子見です」

 インプレッション数(閲覧数)とはTwitterで自分のツイートが他のユーザーにどれだけ見られたか(タイムラインに表示されたか)の数字である。これまでTwitterでは自分のツイートのインプレッション数は確認できたが、他のユーザーのインプレッション数はわからなかった。しかし12月23日ごろから各ユーザーのツイートに表示され始めた。

 現状、アカウントやツイートによっては出たり出なかったりというケースもあるようだが、インプレッション数とはYou Tubeの視聴回数みたいなもの。ただしYou Tubeとは違い、Twitterは再生回数でいくら、と見られただけで(一定の条件はある)収入が増えるわけではない。しかし商業的な宣伝はもちろんアフィリエイト目的といった外部サイトへの誘引や、インフルエンサーによっては1ツイートいくらなど、企業PR案件で稼ぐケースもある。どれもネット界隈において周知の話かもしれないが、本稿は媒体性格上、詳しくない読者やROM専(基本、閲覧するだけの人)に向けても記している。

「他のインフルエンサーとか情報商材、副業系とかのコンサル系なんかも、フォロワー万超えなのにツイートのインプレッションが2桁とか3桁とかで『垢消し』したのもいますね。知り合いの副業コンサルもフォロワーが多いだけなのがバレて『恥ずかしい』『つぶやきづらくなった』って愚痴ってました。そいつ、全然儲かってないのに儲かってるから教えるって『設定』のコンサルなんですけどね。ま、匿名でやりたい放題の世界ですから。いまさら言わなくても、Twitterなんてそんなのだらけです」

関連記事

トピックス

旧統一教会は今後どう動くのか(時事通信フォト)
解散命令を受けた旧統一教会 「自民党への復縁工作」もありうると鈴木エイト氏指摘、教団と議員の関係を示す新情報リークの可能性 石破首相も過去に接点
週刊ポスト
藤川新監督(左、時事通信フォト)の船出とともに、名物商店街にも大きな変化が
阪神「日本一早いマジック点灯」のボードが電光掲示板になっていた! 名物商店街が今季から「勝った翌日に減らす」方式を変更 貼り替え役の店長は「ようやく解放される」と安堵
NEWSポストセブン
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん
《ドバイの路上で脊椎が折れて血まみれで…》行方不明のウクライナ美女インフルエンサー(20)が発見、“危なすぎる人身売買パーティー”に参加か
NEWSポストセブン
公開された中国「無印良品」の広告では金城武の近影が(Weiboより)
《金城武が4年ぶりに近影公開》白Tに青シャツ姿の佇まいに「まったく老けていない…」と中華圏のメディアで反響
NEWSポストセブン
女子ゴルフ界をざわつかせる不倫問題(写真:イメージマート)
“トリプルボギー不倫”で揺れる女子ゴルフ界で新たな不倫騒動 若手女子プロがプロアマで知り合った男性と不倫、損害賠償を支払わずトラブルに 「主催者推薦」でのツアー出場を問題視する声も
週刊ポスト
林芳正・官房長官のお膝元でも「10万円疑惑」が(時事通信フォト)
林芳正・官房長官のお膝元、山口県萩市の元市議会議長が“林派実力者”自民党山口県連会長から「10万円入りの茶封筒を渡された」と証言、林事務所は「把握していない」【もうひとつの10万円問題】
週刊ポスト
本格的な活動再開の動きをみせる後藤久美子
後藤久美子、本格的な活動再開の動き プロボクサーを目指す次男とともに“日本を拠点”のプラン浮上 「国民的美少女コンテスト」復活で審査員を務める可能性も 
女性セブン
24時間テレビの司会を務めた水卜麻美アナ
《水卜アナ謝罪の『24時間テレビ』寄付金着服事件》「まだ普通に話せる状況ではない」実母が語った在宅起訴された元局長の現在
NEWSポストセブン
すき家の「クチコミ」が騒動に(時事通信、提供元はゼンショーホールディングス)
【“ネズミ味噌汁”問題】すき家が「2か月間公表しなかった理由」を正式回答 クルーは「“混入”ニュースで初めて知った」
NEWSポストセブン
スシローから広告がされていた鶴瓶
《笑福亭鶴瓶の収まらぬ静かな怒り》スシローからCM契約の延長打診も“更新拒否” 中居正広氏のBBQパーティー余波で広告削除の経緯
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・HPより 写真はいずれも当該の店舗、スタッフではありません)
《丸ごとネズミ混入》「すき家」公式声明に現役クルーが違和感を覚えた点とは 広報部は「鍋に混入した可能性は著しく低い」と回答
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 山本太郎が吠えた!「野党まで財務省のポチだ」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 山本太郎が吠えた!「野党まで財務省のポチだ」ほか
NEWSポストセブン