昨年末の『第73回NHK紅白歌合戦』でもっとも注目を集めたのは出場歌手よりこの人だったかもしれない。紅組司会の橋本環奈(23才)だ。堂々とした司会ぶりに絶賛の声が止まらない。コラムニストで放送作家の山田美保子さんが橋本の今後の飛躍について解説する。
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暦の関係で、今年、在京局や地方局の生ワイド番組のスタッフは、1月4日からの生放送に備えて2日や3日から出社していた。
なかでもホクホク顔だったのはエンタメ担当のディレクターや芸能デスク。「これだけ大物の結婚ラッシュが続いた年末年始も、近年そうはなかった」と言うのである。
「次も」との声が出る完璧な司会ぶり
確かに、町田啓太と玄理、ふぉ~ゆ~の松崎祐介、ともさかりえ、平岡祐太、そして、綾野剛と佐久間由衣、片寄涼太と土屋太鳳…と、まさにラッシュだった。
だが、それ以上に盛り上がったのは、昨年大晦日に放送された『第73回NHK紅白歌合戦』での橋本環奈の名司会ぶりについてである。
『紅白~』開始直後から、堂々たる振る舞いと的確なコメントと進行に対し、ネット世論から絶賛されていた橋本。筆者もかなり早い段階で、彼女のスキルの高さと、どの場面でカメラが切り替わっても120点の姿を見せる彼女についてTwitterで呟いてしまったほどである。
郷ひろみと『林檎殺人事件』を完璧な振付と共にデュエットしたかと思えば、「きつねダンス」では本家のダンサーズよりも愛らしく、光っていた。SEKAI NO OWARIの『Habit』の難しい振りも橋本には入っていた。
4時間25分もの間、一瞬一瞬に制限があり、ずっとフロアディレクターからの“巻き”の指示が出続けていると言われる大型生番組でのノーミス。司会者に選出されたときは「なぜ?」という声も多かったし、橋本自身も驚いていたものだが、前述のワイドショースタッフの間では「あれだけ完璧にやられちゃったら、次にやる人が可哀想」との声もあがっていたほどだ。
いや、次も橋本なのではないだろうか。そして今年は、「橋本、朝ドラヒロインに」というニュースもあるに違いない。『紅白~』の司会は、それを条件に出されたから引き受けたとの噂も一部ではある。
当時、私はスポーツ紙の連載に「貢献度より好感度」という見出しで彼女の『紅白~』抜擢について書いた。イケメンと共演してもファンから嫉妬されることがほとんどない、サバサバした性格。その人柄や仕事ぶりについては、昨年、舞台『千と千尋の神隠し』でWキャストをしていた上白石萌音が度々口にしていた。驚くほどに社交的な橋本は、一つ年上の上白石に対して、敬語からタメ口になるタイミングが絶妙だったそう。橋本は初舞台だったにもかかわらず、稽古が終わるとすぐに帰っていたとも聞いた。真逆のタイプの上白石は、余韻に浸りながら稽古場に残ることが多かったそうだ。
二人へのインタビューでものすごく憶えているのは、橋本が初日を終え、上白石が初日を迎える開演前にセッティングされた会見での話。橋本は、「ちょっと気の抜けた空気を私だけ出しちゃっているんじゃないかと心配しております」と笑顔を見せ、長丁場の舞台のために何かやっていることを聞かれるも「特にやっていないですけど、いたって健康です」と答えたのである。
そんな橋本に、上白石が、堪えきれずに、「アップ、しないよね」と言い放った。舞台の出演者らが稽古や本番前に揃ってやるストレッチを指し、「本当にアップだけはしてほしい」と懇願したのだが、橋本は、「アキレス腱だけは伸ばします」と言い、記者らを笑わせた。「(アップをしなくても)できてしまう」と上白石は、やや納得がいかない表情だった。
酒豪キャラで酒類のCMは争奪戦か
橋本と言えば、酒豪としても知られており、飲まない日はないという。トークバラエティで「2杯目までは休肝日ということにしている」と話し、共演者から「それは休肝日ではない」と総ツッコミされたこともある。
当然、橋本にはビールをはじめとする酒類のCMオファーが待ち受けている。酒類関連9団体でつくる「飲酒に関する連絡協議会」が2016年、「25歳未満の者を広告のモデルに使用しない」と改正したので、今年2月で24歳になる橋本が起用されるなら約1年後になるが、争奪戦が起こるのは必至。