薬剤師といえば、誰よりも薬のことを熟知する専門家。しかし、直接患者を診察する医師とは違い、彼らが薬について多くを語ることはほとんどない。薬剤師たちは日々、薬局の窓口に立って薬を処方しながら、どんなことを考えているのか。書籍やテレビ番組では「名医」にスポットが当たるが、薬剤師にも「いい薬剤師」と「悪い薬剤師」がいるのは事実。どう見分ければければいいのか。現役の薬剤師3人が明かす。
【座談会に参加した現役薬剤師3人】
A子さん:大手薬局チェーンに勤める30代の薬剤師。
B夫さん:調剤薬局に勤める40代の薬剤師。
C美さん:個人薬局を経営する50代の薬剤師。
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A子:常に勉強を欠かさず、最新情報をアップデートしているのがいい薬剤師の条件でしょうか。それこそ、「AG1」を知らない薬剤師もいます。質問してみて見極めるのもアリです。
B夫:個人的には、「先発薬がいい」という患者にジェネリックをやたらとすすめてくる薬剤師は、そろばんをはじくことしか頭にない印象。
ジェネリックの普及率を上げるために、各薬局のジェネリック使用率が高ければ報奨金が加算され、逆に使用率が低いと調剤報酬が減額されるというペナルティーがあります。だから薬局としてはジェネリックを増やす方が儲かるけれど、最終的に決定するのは患者ですよね。なのに「ジェネリックにしませんか」と“営業トーク”をしてくる薬剤師は患者のことを考えてない証拠です。
C美:「認定薬剤師」であることも、薬剤師を見分ける1つの判断基準になると思う。認定薬剤師は、定められた研修を受けることで「薬剤師にふさわしい資質の維持のための努力をしている」と認められた資格で、勉強をし続けている証拠ともいえる。名札に資格が書いてあるでしょうし、薬局で聞いてみるといい。
A子:確かに「認定薬剤師」の資格は時間がかかるし大変なので私はとっていません(苦笑)。
B夫:話をいくら親身に聞いてくれても、有益なアドバイスがない薬剤師はやめた方がいいと思う。何を聞いても「担当医が判断することだから」と答えずに逃げる薬剤師は、完全にアウトです。