そんな中、リーディング上位で、単勝1倍台の馬に乗った時の勝率がいいのは118勝をあげた4位松山弘平騎手。34回で24勝は勝率8割超。馬券圏外に“飛んだ”のはわずか2回だ(そのうち1回はGⅠチャンピオンズカップのテーオーケインズだが)。
またリーディング6位で初の大台に乗った岩田望未騎手は27回で15勝と勝率こそ.555だが、連対率では松山騎手とほぼ同じ。この2人、とにかくメンタルが強いのだろう。
このデータは2022年だけのものだが、けっして「たまたま」ではないだろう。プレッシャーのかかるレースで結果を出した騎手にとっては馬を信頼して乗ればいいのだという自信につながったはずだ。
ちなみに2022年で1番人気が1倍台だったのは全レースのうちの2割2分強。その勝率は5割強、連対率は7割強。4着以下に沈んで馬券に絡まなかったのは2割ほどしかない。しかし1番人気のオッズが1倍台となったとしても、5回に1回は馬券に絡まないということは覚えておいていいと思う。単勝1倍台の馬が馬券圏外ということは、それだけで配当は大きくなるということだからだ。
●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。